投資の世界には「テンバガー」という言葉がある。株価が10倍になることを意味する。将来のテンバガー銘柄に投資できれば大きな売却益を得られるが、どうすればそういった有望銘柄を見つけることができるのだろうか。
100万円投資すれば資産価値が1,000万円に
テンバガーの「バガー」は元々野球用語で「塁打」を意味し、1試合で10塁打を打つくらいの勢いで急騰した銘柄が、テンバガー銘柄と呼ばれるようになった。
株価が10倍になるということは、100万円投資すれば将来的に資産価値が1,000万円に、1,000万円投資すれば将来的に資産価値が1億円になるということを意味している。
ただし、短期間で株価が急騰する銘柄はそう多くはない。しかし、ある投資家の助言に従えばテンバガー銘柄を見つけることができるかも。その投資家とは、ピーター・リンチ氏。全米No.1のファンドマネジャーと呼ばれた人物だ。
ちなみにテンバガーという言葉を最初に使ったのも、リンチ氏だ。
「テンバガー銘柄」を見つけるための3つの視点
リンチ氏はどのようにしてテンバガー銘柄を探してきたのだろうか。細かく分析方法を挙げればキリがないが、重要な視点としては「成長余地」「競争力」「注目度の低さ」がある。
視点1 成長余地
その企業が手掛けている製品・サービスのマーケットが今後どれだけ拡大するか、といった視点は非常に重要だ。例えば、すでに全国に出店しているレストランとまだ出店数が少ないレストランでは、どちらに成長余地が残されているだろうか。
もちろん、レストランの出店数が少ない企業が将来成功するとは限らないが、成功した場合は成長余地が大きい分、株価が長い期間にわたって上昇を続けることが期待できる。
視点2 競争力
優れた製品・サービスを提供している企業は、高い競争力を有している。例えば先進技術の自動運転やバイオテクノロジーの分野では、ライバルが決して真似できない技術力を持っている企業が、競争上の強みを持っていると言えるだろう。
高い競争力を有していれば、市場シェアの獲得競争を優位に進めることができ、うまくコストコントロールをしていけば業績は右肩上がりの状況が続いていく。ちなみにリンチ氏は、自分に身近な中から競争力がある商品を探すことの重要性も説いている。
視点3 注目度の低さ
注目度が低いという視点も、テンバガー銘柄を探す上で無くてはならない。注目度が低いということは、まだ大多数の投資家たちはその銘柄を買っていないということだ。注目されるにつれて買いの需要が増えていくと、株価はどんどん高くなっていく。
例えば、米Apple
うまくリスクを抑えつつ、テンバガーを狙おう
もちろん、こうした視点で投資した銘柄が全てテンバガー銘柄になれるわけではない。そのため、全ての資産をテンバガー狙いで投資するのはややリスクが高い。安定した成長が見込まれる銘柄などにもバランスよく投資する視点も重要になる。
これから投資を始める人は、うまくリスクを抑えつつ、テンバガー銘柄になりそうな銘柄を探してみてはいかがだろうか。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
(2021年7月20日公開記事)
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