2024年1月から始まる新NISAには間違えやすい点がいくつかあり、誤解したまま運用を始めないよう注意が必要です。
よくある誤解1 成長投資枠では投信は買えず、株式しか買えない
新NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」があり、「成長投資枠では株式しか買えない」と思っている人がいますが、それは誤りで、つみたて投資枠にあるようなインデックスファンドも買えます。
つみたて投資枠と成長投資枠ではそれぞれ対象となる商品が異なりますが、成長投資枠の対象商品は幅広く、つみたて投資枠の対象商品も含まれています。
よくある誤解2 つみたて投資枠の上限は600万円まで
新NISAでは、非課税保有限度額1,800万円のすべてをつみたて投資枠で使えます。非課税保有限度額1800万円のうち、成長投資枠の上限が1200万円までと決められていますので、「つみたて投資枠の上限はこの差額の600万円」と思いがちですが、これは誤りです。
つみたて投資枠には、成長投資枠のような上限は設けられていません。ただし、つみたて投資枠は年間の上限が120万円となっているので、たとえば15年かけて毎年120万円ずつ積み立てれば、非課税保有限度額1800万円をつみたて投資枠だけで使い切れます。
よくある誤解3 売った分の非課税枠はすぐに復活する
新NISAには、NISA口座で持っている金融商品を売るとその分の非課税枠が復活するという特徴がありますが、枠が復活するのは翌年です。その年のうちには復活せず、翌年以降、年間投資枠の範囲内(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円まで)で別の商品が買えます。
なお、復活する枠は、売った時の金額ではなく買った時の金額なので、その点にも注意しましょう。
よくある誤解4 運用益が増えて1800万円を超えると税金がかかる
新NISAでは、運用益が増えて1,800万円を超えても課税されません。金融商品を買うのにかかった金額が1,800万円までなら、利益が増えても税金はかからないのです。これは利益ではなく買付け残高の額をもとに管理する「簿価残高方式」が取られているためです。
たとえば、新NISAで毎月5万円を30年積み立てると、投資元本は1800万円です。これを年3%で運用できたとすると、30年後の資産総額(投資元本+運用益)は約2900万円になります。資産総額は非課税保有限度額1800万円を約1100万円上回りますが、税金がかかることはありません。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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