「利益」の意味、子どもに説明できますか?

2021/12/29 13:00

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連載 そのコトバ、子どもに説明できますか? 投資や経済、金融、ビジネスで頻出するさまざまな専門用語も、だれかに説明できるようになれば、しっかり理解していると言えるはず。お子さんがいらっしゃる方も、いらっしゃらない方も、子供に向けて、専門用語を説明できるようになりましょう。 第8回「利益」──詳細を見ないと実はよく分から

連載 そのコトバ、子どもに説明できますか?

投資や経済、金融、ビジネスで頻出するさまざまな専門用語も、だれかに説明できるようになれば、しっかり理解していると言えるはず。お子さんがいらっしゃる方も、いらっしゃらない方も、子供に向けて、専門用語を説明できるようになりましょう。

第8回「利益」──詳細を見ないと実はよく分からない「残り物」

ネットやチラシ、スーパーの売り場などで「利益度外視、赤字覚悟のセール」という惹句を見たり、聞いたりしたことはないでしょうか。身近にいる社長・経営者が、「あんまり利益がでなくてねぇ……」と悩んでいる姿を見たことがあるかもしれません。しかし、「赤字や利益がでない状態でビジネスが続くの?」と疑問に思いませんか?

利益は「収益から費用を引いた“残り”」

「利益」を一言で表現すると、「収益から費用を引いた残り」です。「収益」という言葉のせいで混乱しそうですが、「ビジネスで頑張った結果」くらいに思ってください。大事なのは「利益=残り」であるという点です(ちなみに、利益には「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「当期純利益」などいろいろあります)。

冒頭で「利益がでない」と悩んでいる経営者の例を出しましたが、おそらくその社長は、「自分の給料も払えないほど困っている」わけではありません。むしろ平均より裕福な可能性もあります。

彼がしているのは、「ビジネスで頑張った結果」から費用、つまり自分の給料等を引いた後の「残り」の話だからです。「利益がでない」という情報だけでは実態は分かりません。

「年商●億円」はインパクトだけ?

ところでTV番組でよく「年商●億円」という表現を見ることがあります。こういう表現は、金額が大きくてインパクトがあるのでよく用いられますが、すごい企業(経営者)なのかどうかとはあまり関係がありません。

イメージは「学校のテスト勉強」と同じです。極端な例ですが、AさんとBさんがいて、2人ともテストの結果が50点だったとします。Aさんはテスト勉強を10時間しましたが、Bさんはたった1時間しか勉強していなかったとしたら……。

これと同じことです。つまり、同業で「利益」が似たような額だったら、年商が多いA社と年商が少ないB社では、B社のほうが優秀と考えられるのです。なぜなら、「少ない結果で多くの利益を出している」ことになるからです。もちろん、人件費などを不当に抑えるなどの問題がない限り、ということはいうまでもありません。

文・若杉篤史(RAKAN RICERCA代表)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)

(2021年7月28日公開記事)

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