自分の死後、子供に迷惑をかけないために、終活をしようと考えている人もいるだろうが、自分の持ち物を整理する際、どんなことに気をつければよいのだろうか。また、持ち物を整理しないままにしておくと、自分の死後、遺品整理業者に狙われ、遺族が高額のお金を請求されることもあるようだ。残される家族のためにも、悪徳業者の手口を知っておいたほうがよいだろう。
終活で真っ先に片付けるべきモノは?
「終活」といえば、財産をどうするか、エンディングノートをいつ書くか、などが思い浮かベルだろう。しかし「子どもに迷惑をかけたくない」を優先するなら、今すぐすべきことは、「家」「空き家」「お墓」の片付けと準備だ。
「家」を片付けるときのポイント
自宅の私物は片付けたと思っても意外に物が減らないもの。コツは「月末まで」「クリスマスまで」など、具体的な日にちの目標を立てることだ。
・暮らしやすい理想の環境を想像しながら片付ける
・貴重品や写真など大切な物を整理する
・介護費などのお金をどこから持ってくるかを決めておく
介護施設を調べて選ぶには時間も労力もかかるので、見学をして施設選びをしておきたい。どこから資金を持ってくるのかについても本人が決めておくのが一番だ。
デジタル遺品になりそうなものも忘れずに
スマホやパソコンのデータなど、デジタル類の整理も忘れずに行おう。
ネット銀行の口座やオンラインショッピングの会員登録、SNSのアカウント情報など、登録先は意外に多い。
パスワードの管理にも役立つので一覧にまとめながら不要な契約先は解除しておきたい。
「遺品整理のぼったくり被害」が増加!
近年、遺品整理にまつわるトラブルが増えている。40代の17.5%、50代の27.2%、60代の42.7%が、一度は遺品整理の経験があるという(エス・エム・エス「葬儀に関するアンケート」)。遺品整理は業者に頼むケースが多いと思うが、残念ながら買取業者に関するトラブルは年々増えており、国民生活センターに寄せられる相談件数も2020年は6,018件だったが、2022年には7,760件になっている。どうすればトラブルを避けられるのだろうか。
即日対応に注意
いわゆる「ぼったくられる」ケースには、いくつかパターンがある。代表的なものが、作業を終えてから「想定と違った」といったあいまいな理由で、当初の見積もりよりも高額の料金を請求してくるパターンだ。
事前の見積もりが3万円だったにも関わらず、作業後に約10倍の金額の30万円を請求された事例もあるという。
一度お金を払ってしまうと返金は難しいので、後述する対策を講じたほうがよい。
遺族に相談することなく、後でさまざまな追加料金を加算され、結果として高額になるパターンもある。
さらに、「即日対応代」として後で高額を請求する業者も存在する。業者が「すぐ対応します」と言ったら、必ず金額を確認しよう。
中には作業中に遺族が室内へ立ち入るのを禁止する、遺品を強引に買い取って処分するといった悪質業者もいるという。
見積もりを出さない、キャンセル料を要求
悪質業者の特徴としてまず挙げられるのが、料金プランが分かりにくい、見積書を出さないといった点だ。加えて現地見積もりをしない、サイトなどを見ると連絡先が個人携帯電話番号である、なども注意したほうがよい。
また、電話やメールでの見積もりの際、他の業者に比べて極端に安い料金を提示してくる業者も警戒したほうがよいだろう。不法投棄をしている可能性もあるし、知らないうちにオプション料金などを加算されるおそれもある。
また、訪問見積もりだけで作業を依頼しなかった場合に、キャンセル料を請求してくる業者も悪質だ。
キャンセル料は、消費者契約法9条1号に基づいたキャンセル料金の契約書を交わした場合にのみ請求できるものなので、払う必要はない。
また、電話やサイトなどで家庭ごみを収集する際に必要な「一般廃棄物収集運搬業許可」を受けている業者かどうかも必ずチェックしよう。
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「遺品整理のぼったくり被害」が増加!見積もりと金額が違う、追加料金を請求された……
文/編集・dメニューマネー編集部