新NISAで投資デビューした人が知らないと損する「NISAの落とし穴」
NISAが2024年から新しくなったのをきっかけに、投資デビューした人が注意したいのは、「NISA口座以外で投資をしたことがなければ気付きにくい落とし穴」だ。実はNISA口座には「非課税」というメリットの裏に潜む落とし穴がある。
非課税のメリットは利益があってこそ
NISAを始めた理由として、「税金がかからないからお得だ」というものが多いだろうが、税金がかからないというメリットがあるのは、あくまで投資で“利益が出た”ときだけだ。
なぜなら、税金は利益に対して引かれるのであって、そもそも利益が出なかったら引かれる税金もない。つまり、非課税の恩恵を受けることはない。
そして、投資はいつも利益が出るとは限らない。投資した額よりも少なくなってしまう、元本割れする可能性がある、ということはあらためて認識しておく必要がある。
特定口座では活かせた損失がNISAでは活用できない
NISAで見落とされがちな注意点は、「損益通算」ができないということだ。損益通算とは、利益と損失が出た場合、プラスとマイナスを相殺できるというものだ。
具体的には、「投信Aで10万円プラス、投信Bで10万円マイナス」になったら、プラスとマイナスを相殺(差し引き)して利益がゼロだったということにできる。利益がないので税金が引かれない。
ただし、これはNISA口座にはなく、特定口座など課税される口座でしかできない。このため、NISA口座で損失が出ると、非課税のメリットを受けられないどころか、(特定口座のように)“損失を活かす”こともできないのだ。
「新NISA」は投資のタイミングが重要!うまく運用するコツ
新NISAでは投資するタイミングが重要で、始める時期を間違えると思うように運用ができないかもしれない。投資のタイミングが新NISAをうまく運用するカギになる理由として、次のようなものが挙げられる。
5年で生涯の投資枠を使い切る
新NISAは、年間の投資上限額まで投資すると最短5年で生涯投資枠を使い切ってしまう。
新NISAでは、現在のつみたてNISAの投資枠の3倍にあたる年間120万円、一般NISAの投資枠の2倍にあたる年間240万円の「成長投資枠」が設けられる予定だ。
ただし、生涯投資枠として1,800万円という上限が定められている。
購入した商品を一切売却しないと仮定すれば、つみたてNISAの枠だけでも15年、成長投資枠も含めて毎年上限金額まで投資すると、5年で生涯投資枠に到達する。
投資枠の再利用が可能
新NISAでは年間の投資枠は復活しないものの、生涯投資枠の1,800万円は売却すれば復活して再び投資できる。
従来の一般NISAやつみたてNISAは「年間120万円または40万円」の枠が決められていて、売却後に投資枠が復活することは一切なかった。
これまでより柔軟な運用ができるようになった一方で、資産に余裕がない人は再度投資をするために保有商品を売却するかもしれない。
利益を確定して再投資するなら問題ないが、「損切りして再投資」を繰り返していたら資産が目減りしてしまう。
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「新NISA」は投資のタイミングが重要!うまく運用するコツ
文/編集・dメニューマネー編集部