年度末の3月は、会社を退職して転職する人もいるだろうが、最後の給料からは住民税が一括で引かれるなどして、手取りが減ることがある。また、退職後にどの保険に入るかで、保険料が変わる場合もある。3月で退職をする際、どのようなことに気をつけるべきなのか?
最後の給料日の手取りが減る理由
最後の給料の手取りが減る場合がある。手取りの金額を勘違いして、退職後の生活費に困らないようにするには次のことに注意したほうがよい。
住民税が5月分まで一括で引かれる
3月退職の場合、住民税は3月分だけでなく4月分・5月分も引かれるので、税金が3ヵ月分も引かれて手取りが減る。
1月から5月までの間に退職すると、5月分までの住民税が最後の給料からまとめて引かれる仕組みだからだ。
6月から12月までの間に退職する人は、退職後に自分で納付書を使って住民税を払う方法もあるが、1月から5月の退職だとこれは認められない。
通勤交通費を返す場合はその分だけ給料から引かれる
通勤定期代を半年分まとめて従業員に渡して、もしも半年が経たないうちに退職した場合、退職日より後に相当する金額を返させる旨の規定を定めている会社がある。
たとえば、1月に半年分の交通費をもらっていて3月末に退職するなら、4月から6月分の交通費を会社に返さなければならない。最後の給料から引いて精算されるなら、3ヵ月分もの交通費が引かれて手取りが減ってしまう。
定期券を自分で解約して払戻金を受け取っても、最後の給料で精算されるので得をするわけではない。
転職・退職する人が健康保険料を安くするために押さえるべきこと
退職後に「どの健康保険に入るか」で保険料が変わることがある。自分が入れる健康保険が何かちゃんと分かっていないと、保険料が高くなるかもしれない。特に転職活動をしていて、再就職まで間があく人、一時的に無職になる人は支出を抑えたいところだ。いつまでに手続きが必要なのだろうか?
退職しても元勤務先の健康保険に入れる
退職してすぐに転職しない場合、たとえば無職になる場合でも、辞める会社の健康保険にそのまま入れる。
退職によって会社の健康保険から必ず抜けるわけではない。
これは健康保険の「任意継続」と呼ばれる制度で、2ヵ月以上健康保険に入っていた人が対象となる。退職後20日以内に手続きしない場合は、一般的に自治体の国民健康保険(国保)に入る。
自治体の国民健康保険と会社の健康保険では保険料の計算方法が違う
任意継続制度で会社の健康保険に入れば、家族も扶養に入り続けられる。保険料は家族の分はかからず本人1人分だけだ。一方で国保には扶養の考え方がない。家族の人数が多い人が国保に入ると、人数分だけ保険料がかかり高くなる。
また保険料の上限額が異なり、国保だと月額で約8万円だが、健康保険の一つである協会けんぽの任意継続だと、高くても3万円台だ。
高所得者は保険料が高くなりがちだが、上限額が低い任意継続ならば保険料を抑えられる。
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転職・退職する人が健康保険料を安くするために押さえるべき3つのこと
文/編集・dメニューマネー編集部