平均年収が高めの業種と言えば、大手メーカーや金融などが挙げられるが、ほかの業種に就職したからと言って夢がないわけではない。例えば家具大手のニトリは、給与が低めのインテリア業界ながら、平均年収が1,000万円にもうすぐ届くと言われている。本当なのか?
ニトリの過去10年間の平均年収を確かめてみる
まずニトリ(ニトリホールディングス <9843> )の過去10年間の平均年収の推移を以下にまとめてみた。
時期 | (いずれも2月)平均年間給与 |
---|---|
2021年 | 8,682,000円 |
2020年 | 8,512,000円 |
2019年 | 8,551,000円 |
2018年 | 8,607,000円 |
2017年 | 8,777,000円 |
2016年 | 8,600,000円 |
2015年 | 8,102,000円 |
2014年 | 7,838,000円 |
2013年 | 7,705,000円 |
2012年 | 8,274,000円 |
(出所:ニトリ有価証券報告書)
直近5年間のニトリの平均年収はいずれも850万円以上となっており、さらにその前の5年間は平均年収が700万円台だった年があることも考えれば、ニトリの平均年収は徐々に高まっていることが分かる。
ちなみにニトリの平均年収は、インテリア業界の中でも群を抜いている。上場しているインテリア関連企業の平均年収ランキングは以下の通りだ。ニトリが圧倒的に高いことが分かる。
企業名 | 平均年収 |
---|---|
ニトリ | 8,682,000円 |
ナフコ <2790> | 5,789,642円 |
良品計画<7453> | 5,564,343円 |
大塚家具 <8186> | 5,261,000円 |
カッシーナ・イクスシー <2777> | 4,814,000円 |
(出所:各社の最新の有価証券報告書)
利益率がどんどん向上、ホームセンター事業にも参入
このようにニトリの平均年収は上がっており、年収1,000万円が目前という噂は本当だった。ニトリの売上高や純利益の推移を見ても、従業員の給与を上げられるだけの成績を残せていることがよく分かる。
2017年2月期の売上高は5,129億円だったが、2021年2月期は7,169億円となっており、4年間で約40%も伸ばしている。さらに伸びが上回るのが純利益だ。2017年2月期は599億円だったが、2021年は921億円となっており、実に4年間で53%増となっている。
つまり、利益率がどんどん上がっているというわけで、こうした状況が続くなら従業員の給料を今後も難なく増やしていけるだろう。
ニトリは6月11日、ホームセンター事業として初の「ニトリホームズ」をオープンさせた。買収したホームセンター大手・島忠との融合型店舗で、ホームセンター事業を成功させればさらに業績が良くなり、年収1,000万円企業の現実味はより強くなりそうだ。
海外展開強化で就活生にとっての魅力もさらにアップ?
ユニクロのように展開スピードが早いわけではないが、ニトリは海外進出も進めており、すでにアメリカや中国、台湾でも出店をしている。いずれは東南アジアや欧州などへの展開も考えられる。

平均年収が伸びていくことだけではなく、海外赴任のチャンスも増えれば、ニトリは就活生や転職活動中の人などにとって、さらに魅力たっぷりの企業になる可能性が十分ある。
文・岡本一道(経済ジャーナリスト)
編集・dメニューマネー編集部
画像・Caito / stock.adobe.com
【関連記事】
・「6月から増税」になるのは年収何万円以上の人?
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部サイト)
・株主優待をタダ取りする裏ワザとは?(外部サイト)