株式投資と聞くと難しいイメージを抱くかもしれないが、投資のヒントは身近なところに転がっている。ゲームやアニメなど、人気があるところに株価の上昇材料がある。「ウマ娘」のヒットから投資のヒントを学ぼう。
ウマ娘の大ヒットでサイバーの株価は大幅高
「ウマ娘 プリティーダービー」(通称:ウマ娘)は伝説の競走馬の名前を冠した美少女キャラクターを育成するスマホゲームで、サイバーエージェント <4751> 傘下のCygemesが運営企業だ。2月下旬にリリースされた後、早々にダウンロードランキングでトップに立つと、5日間で100万ダウンロードを突破、5月14日には700万ダウンロードを記録し、長期でランキング上位を維持している。
実際の競走馬の特徴や性格を踏まえたキャラ設定がされていたり、育成にあたり実際の競走馬と同じ評価基準が用いられていたりとゲームの完成度が高く、競馬好きも唸らせるほどだ。レースは出走馬のトレーナーだけでなくギャラリーも観戦することができるため、SNS等を通じてゲーマーだけでなくアイドル好きや声優好きにも広がりを見せている。
ユーザーならこのヒットをすでに知っていただろうが、株式市場に広く認知されたのはアプリがリリースされた2ヵ月後の4月28日、サイバーの21年9月期中間決算(10月〜3月)発表後だ。ウマ娘がサイバーの収益を大きく押し上げていることがわかり、翌日の同社株は15%高と急騰した。
そもそもサイバーエージェントはどんな会社?
サイバーの決算発表では、直近四半期(1〜3月)の全体の売上高は1,634億円(26.6%増)だった。事業の3本柱「広告」「ゲーム」「ABEMA」のなかでも、注目されたのがゲーム事業の伸びである。
サイバーはネット広告では業界最大手で、主力のネット広告事業の売上高は806億円と過去最大で伸び率は10.8%だった。第2の柱がゲーム事業で売上高は639億円と42.7%、第3の柱がABEMAを主力としたメディア事業で売上高は198億円で43.6%増だった。第1の柱よりもゲームとABEMAの成長率が目立つ。
ゲーム事業の四半期の売上639億円は過去最高。前四半期(10〜12月)比で340億円も増加した。1〜3月にリリースした主力タイトルは、2月28日のウマ娘とNie Re[in]carnation(スクエニ提供)の2本だ。NieR Re[in]carnationも1,000万ダウンロードを超える人気ゲームだが、ウマ娘は自社IPのため、利益への貢献度が高い。
アプリの課金売上予想は「セルラン」サイトでわかる
「セールスランキング(セルラン)」と検索すると、スマホの課金売上予想を算出したサイトを見つけることができるだろう。セルランのサイトでは個別のゲームやゲーム会社毎の売上がわかる。スマホゲームの売上はある程度セルランで予測できてしまうのだ。
サイバーは個別のゲームの売上高を開示していないが、リリース後わずか1ヶ月ほどでウマ娘の課金は月100億円に達し、2〜3月で200億円近い売上を上げたというのが市場の見方だ。ウマ娘は月間売上予想で4月、5月と売上トップを維持しており、次の決算も目が離せない。
身近なところに投資のヒントは転がっている
ウマ娘の例でわかるように、「こんなブランドが売れている」「こんな食品がブームだ」など、身近なところに投資のヒントは転がっている。株式市場にはまだ知れ渡っていないが、自分はヒットの予兆に気がついているという状況が株式投資では利益に繋がる。ウマ娘ファンはゲームだけでなく株にも「課金」してみてはいかがだろう?
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・© Cygames, Inc.
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