新NISAは、年に最大360万円まで非課税で投資できるが、この非課税枠は使いきるべきなのだろうか。新NISAは、ただすすめられるがままに、高配当株に投資していても利益を出すことは難しい。定年が迫る40代・50代は、新NISAへの理解を深め、自分にあった投資スタイルを見つけたい。
40代・50代が新NISAを始めたいワケ
40代・50代で、老後資金をもっと蓄えたいのなら、新NISAを始めることを考えてみよう。定年後の暮らしを安定したものにするために、新NISAの仕組みをおさえておきたいところだ。
新NISAなら1,800万円まで非課税で投資できる
40代・50代など、老後までにあまり長い時間がない人でも、新NISAなら、生涯の非課税枠が1,800万円、年間の投資上限が360万円に広がるので、最短5年で1,800万円を投資に回せるようになり、老後までに一定の資産を築けるかもしれない。また、非課税で運用できる期間も“無期限”になる点も見逃せない。
今までのNISA制度の課題は、投資できる枠が少ないこと、非課税で保有できる期間が短いことだった。
たとえば、つみたてNISAは、年間の上限が40万円、非課税期間が20年間です。このため、定年までの期間が短い40代・50代には使いにくい制度と指摘されていた。
新NISAなら、定年までの期間が短くても、ある程度の資金を計画的に投資でき、しっかりと備えられるだろう。老後は非課税で運用を続けながら、必要に応じて少しずつ取り崩すとよいだろう。
新NISAの使い方で考えるべきポイント
新NISAはメリットが多く、使い勝手が良いが、使い方を間違えるとリスクを負うおそれもある。変更内容を安易にメリットととらえるのではなく、資産状況に応じた計画が必要だ。
非課税枠の年間360万円はすべて使いきるべきか?
新NISAでは年間360万円まで非課税枠が広がり、総額1,800万円が非課税となる「非課税保有限度額」が設けられた。
年間360万円で満額投資すれば最速5年間で1,800万円を埋められるが、これは非常に大きな金額なので、生活に必要な資金を十分に確保したうえで、余った分を投資にまわすよう考えなければならない。
特に投資初心者にとって、最初から大きな金額を投資にまわすのはリスクがある。どうしても1,800万円をすべて使いたい場合は、無理のない範囲で少しずつ投資額を増やし、長期的に1,800万円に到達するよう計画したい。
成長投資枠ではすべてアクティブファンドを買うべきか?
非課税で持てる限度額1,800万円のうち1,200万円は「成長投資枠」(現行の一般NISAに該当)といい、この投資枠でアクティブファンドを買う選択肢もあるが、インデックスファンドのほうが勝率は高い傾向にある。
1,800万円をすべて使ってインデックスファンドを買えるため、無理にリスクを負ってアクティブファンドで1,200万円を埋める必要はない。
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新NISAの使い方で考えるべき3つのポイント
文/編集・dメニューマネー編集部