『ジェイソン流 お金の増やし方』（ぴあ）を上梓した厚切りジェイソンさんへのインタビュー。前編では、家庭での金融教育や、なぜ不動産投資や個別株投資をしないのか、その理由を聞いた。後編は節約や投資を続けるコツなどについて（インタビューは2021年12月中旬に行われました）。（聞き手：濱田 優・dメニューマネー編集長）
「コンビニに行かない」のはひろゆきさんと多分同じ理由
──本書でも節約の仕方を細かく書かれていて、コンビニに行かないという話がありました。新年のインタビューでひろゆきさんにも取材したのですが、いみじくも同じことを話されていました。宝くじを買うことに否定的な理由を、「喉が乾いたり小腹が空いたらコンビニや自販機でジュースやお菓子を買うという、本当に必要でないものにちょこちょこお金を払うのがよくないと。そういう習慣づけをやめたほうがいいよと。厚切りジェイソンさんがおっしゃっているのも同じだなと思いました。
考えないで行動すると変な結果につながります。多分、ひろゆきさんもまったく同じことをおっしゃってるんでしょう。宝くじもオッズをもとに計算したら、負けるものだと分かります。
もうちょっと算数を使った計算に慣れたほうがいいと思います。僕は計算するのが大好きです。「CMとか広告で見たから」と信じるのではなく、自分でデータをもとに計算して確かめること。そうすれば騙されない消費者になれますよ。
投資は勝負でもギャンブルでもなく地味な作業
──いわゆるギャンブルに対するスタンスはどうですか？
僕は興味ないですけど、別に趣味としてするならいいと思います。ギャンブルと投資は別物と分かって欲しいですね。ギャンブルはエンターテインメントの一種なので、全額負けていいくらいのつもりでやるなら自由です。
──日本だと「株をやる」みたいな言い方があるように、大儲けするために株を買うと考えている人が多いようです。
僕は投資は「勝負」じゃなくて「地味な作業」だと思っています。だからそんなにワクワクしないでくださいと言いたい。つまんないよ？僕が毎日やってることは。すごくつまんないですけど、大金になってますから。
──老後2000万円問題がありました。いま20代、30代なら長期投資で資産を作れるかもしれませんが、50代など中高年の人は「そんなに時間がないから無理」と考えるのではないでしょうか。
年代を問わずやることは一緒です。まずは支出を見直して投資して待つこと。たとえ投資しなくても、支出を見直すだけでだいぶ変わると思います。
それに今は人生100年時代と言われます。中高年といっても、50歳とか60歳の人は、あと40年とか50年生きるわけですよ。すると資産を倍増できる機会は4回ぐらいありますよ。
結局、やることはシンプルです。本の内容も一行にまとめれますよ。
「節約して投資する」
たった8文字です。それがすべてです。
続けるコツはハードルを下げること
──そんなにシンプルなことなのに、皆さんできてないです。何か続けるためのコツは？
ハードルを下げることです。面倒くさいと続かない。自分にとってやりやすい方法を見つけて。自動化する。たとえば楽天証券なら自動積み立てできるので本でも紹介したわけです。設定したら忘れてしまっても、あとはシステムがやってくれます。
──厚切りジェイソンさんがそもそも投資に目覚めたきっかけは何ですか？
きっかけは特に浮かばないですが……アメリカだと入社手続きに老後資金の投資制度に参加するかしないかチェックするんです。それで自動的に投資、運用を始められたんです。
──GEに入社された時の話ですか？
そうです。それで「これって何だろう？」って思って調べましたけど……。あとは、うちの母はずっと節約とかお金の大事さについて、子供達、僕と姉に話してくれてました。
実際に買い物する時、尋常じゃないくらい量の割引券とか持ってて、お店をはしごしてましたから、日々の生活で、それは染み込んでいたのかもしれないですね。
インタビュー前編「老後資金2000万円は着実に投資すれば作れるよ！」はこちら
取材/構成・濱田 優（dメニューマネー編集長）
画像・提供写真
厚切りジェイソン 著『ジェイソン流お金の増やし方』
ぴあ 刊
（Amazonに飛びます）
厚切りジェイソン
1986年アメリカ・ミシガン州生まれ。17歳の時に、飛び級でミシガン州立大学へ入学。卒業後、イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校へ進み、エンジニアリング学部コンピューターサイエンス学科修士過程修了。現在は3姉妹のイクメンパパながらIT企業の役員も務める二刀流芸人であり、NHK「えいごであそぼ with Orton」にレギュラー出演するほか、情報番組でコメンテーターを務め、ドラマや映画に出演するなど幅広く活動している。
（2022年1月2日公開記事）
