ラウンドワンが業績を大幅に上方修正。株価は4日間で27%も上昇し、2018年以来4年ぶりの高値をつけた。単に経済のリオープニングによる恩恵だけでなく、米国事業が牽引している。ゲームセンターでクレーンゲームや太鼓の達人が人気のようだ。ラウンドワンのイマを見ていこう。
ラウンドワン四半期過去最高売上で4年ぶり高値
8月5日、ラウンドワン <4680> は2023年3月期第1四半期(4〜6月)の決算発表を行った。売り上げは69%増の309.1億円(会社予想は279.6億円)、経常利益は前年のコロナ禍での35.7億円の赤字から25.8億円の黒字(会社予想は2.0億円)となった。会社予想に対し売り上げで29.5億円、経常利益で23.8億円の上振れとなる好決算だ。
合わせて2023年3月期通期予想を、売り上げ1,296.7億円から1,326.2億円(前年度比38%増)へ、経常利益を134.0億円から157.8億円(同2.9倍)へ上方修正した。これは第1四半期分を上乗せしただけ、今の状況が続くならさらに上乗せも期待できそうだ。
コロナ禍で昨年の水準が低かったといえども、売り上げが69%増というのは強烈だ。売り上げは四半期ベースでは過去最高。会社の通期予想売上1,326.2億円はコロナ前の2020年3月期の過去最高売上1,047.7億円を27%も上回る。さらに、9月30日割当で1対3の株式分割、並びに増配を発表している。
翌6日の株価は13.8%高と急騰。その後も人気は継続し、4営業日後の8月12日には一時1,966円と2018年5月以来4年ぶりの高値をつけた。決算発表後の上昇率は27%に達した。
成長の牽引役は高利益率の米国事業
ラウンドワンは、ボウリング場、アミューズメント施設(ゲームセンター)、カラオケ、スポッチャ施設(バスケ、ローラースケート、トランポリン、ビリヤードなどのスポーツ施設)などの複合レジャー施設を運営している。実は、ラウンドワンの成長を牽引(けんいん)しているのは米国事業だ。
店舗数は2022年6月末で、国内99、米国47、中国3である。
第1四半期の経常利益が計画の2.0億円から25.8億円に上振れした要因を分析すると、国内が6.4億円、米国が16.7億円、中国が0.7億円と米国の利益上乗せが圧倒的だった。米国の採算は高く、通期の会社予想で国内の経常利益率は10.9%。米国は16.1%である。
高採算の理由はアミューズメント比率の高さ 「太鼓の達人」が大人気
米国事業が好採算の理由は、アミューズメント比率の高さにある。第1四半期の売上構成比では、国内はアミューズメントが52%、ボウリングが22%、スポッチャが15%である。一方、米国はアミューズメント74%、飲食・パーティ等12%、ボウリング12%だ。
米国ではショッピングモール内などにラウンドワンがあることが多く、ボウリングよりもクレーンゲームやメダルゲームなどのアミューズメントやフードコートのスペースが広い。UFOキャッチャー、ダンスダンスレボリューション、太鼓の達人などが日本と同様にヒットしている。むしろ、日本ほど最新でなく、一世を風靡したようなゲームが人気を集めているので採算が高いのだろう。ゲームや子供達の誕生日パーティなどのパーティ需要も強い。
今年度は、2022年6月にフロリダに1店出店、年度内にあと3店舗で米国50店舗を計画している。さらに今後も積極拡大を続ける計画だ。まだ3店舗の中国にもポテンシャルがあるため、ユニクロのようにラウンドワンも海外売上が日本を上回る日もあるかもしれない。
文/編集・dメニューマネー編集部
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