介護は老後の大きな出費の1つで、期間によっては大きな負担を強いられますが、条件を満たせば国から給付が受けられます。
介護に必要な2つの費用
介護に必要な費用は2つあり、合計で平均580万円以上かかります。
自宅で介護をするには、住宅のリフォームや介護用ベッドの購入が必要で、一時費用の平均は74万円です。ただ人によって額は大きく異なり、25万円未満の人が40%以上いる一方で、100万円以上の人が14.3%います(生命保険文化センター、2021年9月)。
大きな負担となるのは、毎月の介護費用で、老人ホームの利用料や居住費、食費など。平均が毎月8万3,000円、介護期間の平均が61.1ヵ月なので、合計で507万1,300円かかります。なお毎月15万円以上負担する人も16.3%います(同)。
負担を減らす2つの手段
合計で平均580万円以上かかる介護費の負担は、2つの手段で240万円削減できます。
1介護保険で住宅改修する──最大18万円
介護のために住宅のリフォームを行う場合は、介護保険から最大18万円が支給されます。対象は、手すりの取り付けや段差の解消、床の材料の変更など、介護のために必要なリフォーム全般です。
至急は原則として1人の介護につき1回までですが、要介護区分が3段階上がったときや、転居したときに改めてリフォームすると再度18万円が支給されます。
2 高額介護サービス費──最大222万円
毎月一定額以上の介護費用を負担した場合、自己負担限度額以上は国から還付が受けられ、支給される金額の合計は222万4040円となります。
親子と別世帯で、親の年金収入が148万円以内(住民税非課税)である場合、自己負担限度額は毎月2万4600円です。
また、住民税非課税世帯かつ資産が500万円以下の人は特定入所者介護サービス費の支給が受けられます。
特別養護老人ホームを61.1ヵ月(平均の介護期間)利用する場合、支給される金額は下表の通りです(1ヵ月=30日で計算)。
毎月の支給額 | 総支給金額 | |
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施設サービス費 | 400円 | 2万4440円 |
食費 | 2万1900円 | 133万8090円 |
居住費(多床室) | 1万4100円 | 86万1510円 |
合計 | 3万6400円 | 222万4040円 |