定年後に続ける仕事の候補として、介護を考えている人も多いだろう。身近で求人も多く、未経験でも歓迎されるためだ。しかし未経験から始めてどんな仕事ができるのだろうか。また60代で年収はどのくらいなのだろうか。
60代の介護未経験の求人はある?
60代で介護職に就けるのかという疑問もあるだろうが、60代未経験者を募集している介護求人は存在する。介護業界は常に人手不足だからだ。
介護の求人には、無資格・未経験者を時給1,200〜1,700円で募集しているものや、週3日から4時間勤務、無資格・未経験者でも働ける時給1,150円の仕事もある。
いずれも無資格・未経験を募集している求人は、時給があまり高くない印象だ。
一方、有資格者や経験者を募集している求人は、月給21万円~36万8,400円 のものなどがある。
介護求人の倍率だが、2021年度は3.6%となっている(厚労省)。全体平均が1.16倍程度のため、介護業界の求人倍率が高いことが分かる。
資格がなくても仕事ができる?介護スタッフの仕事内容
介護職で働くには資格は不問のことが多いが、資格がないと技能が求められる仕事には携われない。
介護の仕事は「生活援助」と「身体介護」に分けられるが、このうち身体介護は、要介護者の移動や入浴など体に触れるため、資格がない人がする場合は、介護職員初任者研修を受けた人が監督しなければいけない。
一方の生活援助は、要介護者の身の回りの世話をする仕事で、主に家事なので資格は要らない。
この介護職員初任者研修は以前はヘルパー2級と呼ばれたもので、国家資格ではないが厚労省の認定資格。
食事、入浴、排せつの介助など、要介護者の身体に触れる仕事をするには、この資格を取得する必要がある。
受講費用の相場はスクールの立地や受講内容などによって4万円から10万円と幅があるが、ハローワークの職業訓練なら無料で受けられる。
60代の給料はどれくらい?
介護職の給料はどれくらいなのだろうか。介護職の60歳代の平均月収は男女とも27万円くらい。実は年代による差はあまりなく、最も高い40代で男性が34万円、女性が29万円くらい、20代では男性が28万円、女性が27万円程度だ。
介護職以外でシニアに人気のある仕事には、清掃員があるが、こちらの月収が29万円、同じく人気の工場勤務が32万円ということから、ほかの業種と比べると少し低い程度だ。
介護業界の給与はあまり高くないとされるが、非正規雇用が多いのが一因のようだ。正規雇用されるには介護福祉士やケアマネージャーなどの資格を取ったほうがよいようだ。
いずれは自分が介護され側に……
介護は求人も多く資格も取りやすく、やりがいがあるが、いかんせん体力が必要だ。老後の自分の体力でできる仕事かどうかはしっかり見極めておきたい。
ただ、60代ともなれば、そう遠くないうちに自分も“介護するほう”ではなく、“介護されるほう”になるかもしれない。自分が介護する側を経験しておけば、介護される側になったときに役に立つかもしれない
文/編集・dメニューマネー編集部
写真・eggeeggjiew / stock.adobe.com
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