65歳以上の夫婦の平均支出は、1ヵ月あたりおよそ25万5,000円だが、ゆとりのある生活を送れるよう、夫婦で月30万円の年金をもらうために必要な年収はいくらだろうか。また、年金が少ない場合はどうすればよいのだろうか。
夫婦で年金を「月30万円」もらうために必要な年収
夫婦で年金を月30万円(年間360万円)もらうために必要な年収は、「老齢基礎年金」と「老齢厚生年金」を整理すれば算出できる。
老齢基礎年金は、40年間保険料を納めれば、収入に関係なく満額もらえる。満額はおよそ6万5,000円(2021年時点)なので、夫婦で月におよそ13万円(年間156万円)だ。
360万円のうち156万円が老齢基礎年金であるとすれば、残りの204万円は老齢厚生年金で受け取ることになる。老齢厚生年金は、加入期間や収入によってもらえる額が変わるので、詳しく見てみよう。
夫婦共働き世帯のケース
わかりやすくするために、夫婦ともに22~60歳の38年間厚生年金に加入し、収入も同じだと仮定する。
もらえる厚生年金の計算方法は、保険料を納めた期間が2003年3月までと、2003年4月以降で異なる。今回は2003年4月以降として考える。
この条件において、それぞれの月収がおよそ41万円、夫婦合わせた年収がおよそ984万円であれば、夫婦で月30万円の年金(基礎年金+厚生年金)をもらえる。
専業主婦(夫)がいる世帯のケース
専業主婦(夫)、もしくは扶養範囲内で働くパート(年130万円以内)がいる世帯では、扶養される側の年金は基礎年金のみだ。
働く夫(妻)が22~60歳までの38年間、厚生年金に加入していたと仮定する。
この条件において、働く夫(妻)の月収がおよそ82万円、年収がおよそ984万円であれば、夫婦で月30万円の年金をもらえる。
年収アップ以外の方法で年金を増やすには?
夫婦で年金を月30万円もらうためには、かなりの年収が必要になることがわかる。年収アップ以外の方法で年金を増やすためには、どうすればよいのだろうか。
その方法の一つに、年金の繰り下げ受給がある。65歳から繰り下げた月数によって増額される(ひと月あたり0.7%)。
また、60歳や65歳で定年退職した後も働き、最大70歳まで厚生年金に加入する方法もある。
iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「企業型確定拠出年金」などの私的年金を使う方法も有効だ。確定拠出年金は原則60歳まで引き出せないので、老後資金を確実に用意できる。
「将来もらえる年金を少しでも増やしたい」という人は、自分に合った制度の活用を検討してほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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