明石市が子育て世帯に人気のワケ 高校生まで医療費が無料だけじゃない?

2022/09/01 10:00

兵庫県明石市は独自の子育て支援である「5つの無料」で注目され、20~30代の子育て世帯の転入が相次いでいます。コロナ禍で時代がシフトし、住む場所を選ぶ視点も変わりつつある中、明石市の人気の理由はどこにあるのでしょうか? 子育て人口が1年で800人増、人気の理由は「5つの無料」 明石市の人気の理由は、市長が主導する所得制

兵庫県明石市は独自の子育て支援である「5つの無料」で注目され、20~30代の子育て世帯の転入が相次いでいます。コロナ禍で時代がシフトし、住む場所を選ぶ視点も変わりつつある中、明石市の人気の理由はどこにあるのでしょうか?

子育て人口が1年で800人増、人気の理由は「5つの無料」

明石市の人気の理由は、市長が主導する所得制限なしの「5つの無料」です。

1.子どもの医療費が高校3年生まで無料
2.第2子以降の保育料が無料
3.満1歳まで紙おむつなどを無料で配送
4.中学校の給食費が無料
5.海浜プールや天文科学館など公共施設の入場料が無料

明石市の人口動態調査では、2021年だけで転入・転出による25~39歳の人口が792人、0~4歳の人口が183人増えたことが明らかになっています。過去5年では、25~39歳の人口増が1,500人を超えた年もあり、ここ数年で多くの子育て世帯が明石市に転入していることが分かります。

明石市の取り組みに対して、ネットでは「明石市さえよければいいのか」「周辺から転入で人を集めているだけ」といった批判の声もあります。しかし明石市の泉市長は、成功した施策を他の自治体も取り入れれば、子育てをしやすい地域がどんどん増えると考え、今後も子育て支援を推進する姿勢です。

子育て支援に力を入れる自治体が増えている

明石市以外にも子育て支援に注力し、人口増を実現した自治体があります。

千葉県の流山市は、保育園に子どもを送迎する「駅前送迎保育ステーション」を設置し、働く子育て世帯を支援しています。流山市は、人口増加率が全国一高いと総務省の2022年1月の人口動態統計で報告されました。

千葉県の松戸市は共働き世帯の子育て支援に力を入れていて、2021年4月には6年連続待機児童ゼロを達成した他、通勤と送迎を両立しやすいよう、駅前・駅ナカに小規模保育施設を設けています。また、松戸市は2013年から2020年にかけて7年連続で人口増加を実現しました。

日本は2008年から人口減の時代に突入しましたが、人口増に向けて独自の取り組みを行う自治体は増えているのです。

地価や通勤だけでなく「政策」に注目して住む場所を選ぼう

今住んでいる自治体の子育て支援策や、定住人口増加のための政策を調べてみると、意外な発見があるかもしれません。

かつては、地価や通勤のしやすさで住む場所を決めるのが一般的でした。しかし、コロナ禍でリモートワークが普及したことで、場所にとらわれずに働ける職種・業種が増えています。自宅で過ごす時間が長くなったため、これまで以上に住環境を重視する風潮もあります。

自治体の政策は、長い目で見た場合の住み心地に大きく影響します。今後は、住む場所を選ぶ視点の一つに、自治体の政策を加える人が増えるでしょう。次に引っ越す時は、ぜひ自治体の政策にも着目してください。

文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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