昇進して管理職になると給料が増えると思われがちですが、実際には手取りが減ることもあります。残業代の扱いが変わるからです。昇進は嬉しいことですが、良いことばかりではありません。
1 管理職になると残業代が出ない
従業員が時間外労働をした場合、企業が割増賃金を支払うことが労働基準法で定められていますが、この規定は管理職には適用されません。
今まで残業代をもらっていた人は、管理職になる前と同じ時間だけ働いても、残業代がまったく出なくなることがあり、給料が減るかもしれません。管理職への登用で基本給や手当が増えても、それ以上に残業代が減れば全体では給料が減ってしまうのです。
2 深夜労働をした場合は管理職でも割増賃金が出る
「管理職だと残業代は一切出ない」と勘違いする人が多いのですが、深夜労働をした場合は管理職であっても労働基準法の規定が適用されるので、割増賃金が支払われます。
深夜労働とは、22時から5時までの労働のことです。管理職がこの時間帯に働いた場合、企業は25%以上の割増率で給料を支払わなければなりません。
3 決定権がない名ばかり管理職なら残業代を請求できる
肩書きは管理職でも実際には決定権などがなく、管理職とは言えない「名ばかり管理職」なら、実態としては通常の従業員と同じなので残業代の支払い対象です。
従業員の肩書きだけ管理職にして、企業が残業代を支払わない理由にすることがありますが、残業代を支払わない管理職かどうかは肩書きだけで決まるわけではなく、職務の内容や権限などの実態で判断します。名ばかり管理職にあたるなら、残業代を請求できるのです。
請求できる期間は、原則として3年です。弁護士事務所の中には初回相談が無料のところがあり、また収入が一定以下なら法テラスの無料相談を利用できます。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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