陸上の貨物輸送といえば、トラックと鉄道。中でも、トラック輸送は陸運輸送の90%を占めていますが、世界的なトラックドライバー不足が深刻な問題となっています。物流を支えるドライバーの仕事の一つが「追っかけ」。食卓に欠かせないあるモノを運ぶ輸送を指しますが、この業界用語を知っていますか。

「追っかけ」はスピード勝負の特急便

「追っかけ」とは、鮮度が重要な魚や青果などの生鮮食品を、生産地や生産地市場から卸売市場までトラックで輸送することを指します。

生鮮食品は、セリの順番が後回しになるほど入札価格が低くなる傾向にあるため、いかに早く届けられるかがポイントとなります。そのため「追っかけ」は、深夜や早朝の時間帯が多く、時間厳守で緊張感がある仕事です。

「追っかけ」の語源は、セリ後の生鮮食品を乗せたトラックが、前のトラックを追いかけて卸売市場へ向かう様子から、呼ばれるようになったようですが、諸説あります。

トラックドライバーは世界的に不足

物流に欠かせないトラック輸送ですが、全世界的に深刻なドライバー不足が起こっています。日本のトラックドライバーは、2015年に76.7万人いましたが、2030年には51.9万人にまで減少する可能性があり、経済活動に悪影響が及ぶと懸念されています。

アメリカでは、小売大手ウォルマートが2022年4月に自社のトラック運転手に対し、人材確保の取り組みを強化するために、初年度から最高で11万ドル（約1,500万円）の給与を支払うと発表しています。イギリスでは、3.5トントラック＋牽引車の運転資格を持つドライバーに対して、年収6万4,000ポンド（最高1,000万円）の支払いを提示しても、募集人数を満たさなかったようです。

文/編集・dメニューマネー編集部

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