人気漫画家・小田原ドラゴンさんが「銀行口座から2000万円以上の預金が差し押さえられた」とツイートし、差し押さえが年金保険料滞納によるものと判明して話題になりました。
「国民年金は払い損」などの思い込みから保険料を納めない人もいますが、滞納したままの放置は避けるべきです。
実際のところ年金保険料未納による差し押さえはあるのか?
国民年金保険料の納付は義務なので、長いこと滞納していると、預金や不動産などの財産を差し押さえられる可能性があります。
実際、新型コロナが拡大する前の2019年度までは、国民年金保険料滞納に対する差し押さえの件数は年々増えていました。
その後、コロナ禍で差し押さえも休止されていたものの、2021年度ごろから行われているようです。社会活動の正常化にともなって、保険料徴収対策も以前と同じように行われると考えられます。
差し押さえまでの流れと差し押さえの基準
なお、滞納するとすぐに財産が差し押さえられるわけではなく、滞納からの差し押さえまでの流れは一般に次の通りとされます。
1 電話や書面による催告
2 特別催告状が届く
3 最終催告状が届く
4 督促状が届く
5 財産調査
6 差し押さえの実行
このように再三の通知があるにもかかわらず、保険料を払わないケースでは差し押さえになる可能性があるわけです。
基本的には「払えるお金があるのに長期間払わない」人が対象ですが、具体的には控除後の所得が300万円以上で滞納が7ヵ月以上続くケースとされています(日本年金機構による)。
差し押さえをされたらどうすればいいのか?
預金などが差し押さえられた場合、解除するには、年金事務所に行き、滞納した保険料と延滞金の全額支払いする必要があります。
延滞金の利率は、納付期限の翌日から3ヵ月以内は2.4%、それ以降は8.7%となります(2022年12月31日までの利率)。
差し押さえを回避するにはどうすればいい?
年金保険料の滞納には「払えるのに払わない」ケースと「お金がなくて払えない」ケースがあります。
もし「払えない」なら、市区町村役所や年金事務所に免除や納付猶予の申請ができる場合があるので、相談に行くべきでしょう。
保険料の免除は、単なる未納とはまったく違います。免除の場合は年金受給のための資格期間に算入され、いざというときに障害年金や遺族年金も受け取れます。
一方、お金があって「払えるのに払わない人」は、納付する以外に差し押さえを避ける方法はありません。
いずれにしても未納の通知を受け取ったら、すぐに支払うか、免除などの相談をしましょう。催告を無視するなどもってのほかです。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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