「クラレ <3405> 」といえば、人工皮革のトップブランド“クラリーノ”。1964年に開発され、ランドセルの代名詞ともいわれている素材です。同社は、独創性の高い技術で世界No.1製品を手掛けている樹脂・化学製品メーカーです。近年は、創業当時メインだった繊維事業から化学製品事業へ舵を切り、成功を収めている企業ですが、何かの略称です。
一体、「クラレ」は何の略でしょうか。
「クラレ」は繊維業から始まった化学メーカー
「クラレ」は、旧社名の倉敷レーヨン株式会社の“倉(クラ)”とレーヨンの“レ”を残してできた社名です。
同社は1926年に、倉敷絹織が絹に代わる化学繊維レーヨンの事業化を目的に倉敷に設立されたのがはじまりです。1950年には国産第1号の合成繊維“ビニロン”の企業化を世界に先駆けて成功させました。当時“ビニロン”は、吸収性や耐久性が高く、木綿に代わる素材として学生服などに用いられていました。
1964年には、人工皮革の代表格ともいえる“クラリーノ”を開発し、1967年に軽さや強度、耐水性などが認められ、ランドセルへの起用がはじまりました。今ではランドセルの約70%が“クラリーノ”で作られています。
独自技術と開発力は世界で認められている
「クラレ」は、現在、主力だった繊維事業を30%に抑え、化学品関連事業を70%に引き上げ、事業の高収益化を進めています。また、海外事業の強化・拡大を行ったことで、海外での売上高の比率が2001年度の30%から2021年度には73%まで高まりました。
その結果、同社の調べでは、2021年12月現在、液晶ディスプレイに欠かせない“ポバールフィルム”や食品や医薬品の包装容器に使われる“エバール”などを含む5品目が世界シェアトップを占めています。
文/編集・dメニューマネー編集部
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