年金・イデコ

iDeCoの受け取り方はどれがお得?年金、一時金、併用

2022/10/31 17:00

iDeCoの受け取り方は、「年金」「一時金」「年金と一時金の併用」の3つがありますが、このうち、「年金と一時金の併用」は、税額控除を効率よく使えるため、お得に受け取れます。 iDeCoの受け取り方 3種類の違い 3種ある受け取り方法のうち、まず「年金」受け取りでは、5年から20年の有期もしくは終身年金として受け取ります

iDeCoの受け取り方は、「年金」「一時金」「年金と一時金の併用」の3つがありますが、このうち、「年金と一時金の併用」は、税額控除を効率よく使えるため、お得に受け取れます。

iDeCoの受け取り方 3種類の違い

3種ある受け取り方法のうち、まず「年金」受け取りでは、5年から20年の有期もしくは終身年金として受け取ります。公的年金と同じ扱いの「雑所得」となり、公的年金等控除が使えます。

「一時金受け取り」では、運用していたiDeCo内の資産を全て現金にして受け取ります。iDeCoの一時金受取りは「退職所得」となり、退職所得控除が使えます。

最後の「年金と一時金の併用」では、年金として受け取る分は雑所得、一時金で受け取る分は退職所得となります。

受け取り方所得区分受けられる控除
年金雑所得公的年金等控除
一時金退職所得退職所得控除
年金と一時金の併用雑所得(年金部分)、退職所得(一時金部分)公的年金等控除(年金部分)、退職所得控除(一時金部分)

併用方式なら年金と一時金両方の控除枠を使える

こうした所得区分や控除の違いを踏まえて、引かれる税金の面でお得な受け取り方は、最後の「年金と一時金の併用」です。一時金で「退職所得」で控除できる金額分まで受け取り、残りを「年金」で受け取ると税金で引かれる金額は少なくなるのです。

一般に「雑所得」は、年間の受取金額が多いほど税率は高くなり、健康保険料なども高くなることがあります。「退職所得」も控除できる金額を超えた分には税金がかかるため、額が大きいと税金も高くなりがちです。

本当に併用がお得になるのか、具体的なケースで考えてみます。たとえば、25年間働いた人がiDeCoで資産2,000万円を受け取る場合を想定します。

まず「年金」受け取りの場合、20年間で受け取るとすると1年あたり100万円。このイデコ受け取り以外の収入が「国民年金の受取額の平均」だけと仮定すると、20年でかかる税金は26万円程度です。

次にすべて「一時金」で受け取る場合、退職所得控除は1,150万円となり、税金は85万円程度がかかります。これは「一時金」として受け取るイデコの分だけですが、その後20年の間にほかに受け取る収入が「国民年金の受取額の平均額」なら、その分についての税金は(控除枠内のため)かかりません。

これらに対して、「併用」ではどうでしょうか。1150万円を一時金で受け取り、残りを20年間の年金で受け取ると、年間の受取額は42万5000円です。そのほかの収入が国民年金の受取額の平均のみとして計算すると、すべて控除の枠に収まるので、結果的に税金はかかりません。

他の方式にもメリットはある

このように「併用」での受け取りにはメリットはありますが、目的によってすべての方法にメリットがあります。「年金」受け取りは安定してもらい続けられる安心感がありますし、すぐに使う予定がある人は「一時金」受け取りがいいでしょう。

そもそも、上のシミュレーションに当てはまらない場合もありますし、原則は併用がいいと思っても、それが自分に当てはまるとは限りません。自分にはどれが一番よいのか、シミュレーションをしてみるといいでしょう。

文/編集・dメニューマネー編集部

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