保険

円安で米ドル建て保険の保険料が上がった!解約すべき?

2022/11/09 07:00

急激な円安で「米ドル建て保険」に加入している人の中には、保険料のアップに悩んで解約を考えている人もいるかもしれません。しかし、円に換算した保険金額や解約返戻金が増えている可能性があるため、解約は慎重に検討すべきです。 円安で保険料が上がっても損をしているとは限らない 円安で米ドル建て保険の保険料が上がったとしても、損を

急激な円安で「米ドル建て保険」に加入している人の中には、保険料のアップに悩んで解約を考えている人もいるかもしれません。しかし、円に換算した保険金額や解約返戻金が増えている可能性があるため、解約は慎重に検討すべきです。

円安で保険料が上がっても損をしているとは限らない

円安で米ドル建て保険の保険料が上がったとしても、損をしているわけではありません。なぜなら、為替が円安ドル高に振れると、解約返戻金や死亡保険金は“円安による差益”を得られるからです。

為替レートは2022年1月に1ドル115円前後でしたが、10月下旬に150円の大台を超えています。毎月の保険料が300米ドルとすると、1ドル115円なら3万4,500円ですが、1ドル150円では4万5,000円になったわけです。

実に1万円の負担増ですから、支払いが苦しくなる可能性もあるでしょう。

しかし、高くなったのは支払う保険料だけではなく、受け取る保険金も高くなっています。保険金が3万ドルとすると、受け取る額は1ドル115円なら345万円ですが、1ドル150円では450万円に増えます。

これは解約したときに受け取る解約返戻金も同様で、円安になると受け取り時には為替差益が期待できるのです。

保険料の支払いが苦しい場合はどうすればいい?

とはいえ、急激に保険料が上がって続けたくても続けられない人もいるかもしれません。その場合、解約を検討することになりますが、保障が必要なら「減額」という選択肢もあります。

減額とは受け取る保険金額を減らすことで、これによって支払う保険料も減額されます。減額した保険金額分を解約したと見なされるため、解約返戻金があれば支払われる仕組みです。

保険金額3万ドルの毎月の保険料が300ドルの人が、保険金額を2万5,000ドルに下げると、保険料はおおむね250ドルに下がります。1ドル150円なら、250米ドルは3万7,500円です。減額すれば支払えそうなら、解約せずに減額を選びましょう。

ただし、減額した保険金額を元に戻す(増額)は告知などが必要で、できない可能性もあることを頭に入れておきましょう。また、減額の取扱は保険会社によって異なるため、しっかり確認することが大切です。

近いうちに自動車の購入や子どもの進学などまとまったお金が必要な場合は、解約して解約返戻金を充てるのも選択肢の1つです。

いずれにしても保険会社に連絡して、解約や減額をしたらどうなるか試算してみましょう。

文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

【関連記事】
そろそろ締め切り!「ふるさと納税」の基礎知識
初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
11月までに年収を調整しないと税金が高くなるかも?
積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
お金が貯まる?「風水・占い」特集

記事制作者