任天堂の中間決算は、「スプラトゥーン3」などのゲームヒットと円安メリットで過去最高益を更新した。
「あつまれ どうぶつの森」が大ヒットした2021年3月期中間決算以来となる。さらに、通期見通しを上方修正している。年末商戦に向け、11月18日に発売される「ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(ポケモン S・V)」にも期待が掛かる。
「あつ森」超え スプラトゥーンと円安で好決算
任天堂 <7974> は11月8日、2023年3月期中間決算(4〜9月)を発表。売上は前年同期比5%増の6,569億円、最終利益は37%増の2,304億円と好決算だった。中間期でのこれまでの最高益は「あつまれ どうぶつの森」発売の2020年の2,131億円。今回は「あつ森」を超えた。
ゲームでは、「スプラトゥーン3」と「Nintendo Switch Sports」などが好調で、中間期のソフト販売は2%増の9,541万本だった。また、任天堂は売上の約8割が海外売上であり、円安メリットの647億円が利益を押し上げた。
中間期の好決算を受けて2023年3月期通期の予想最終利益を29%減の3,400億円から16%減の4,000億円に600億円上方修正した。ドル円の前提は従来の115円から135円に見直したが、現在はさらに円安水準であり、もう一段の上方修正の可能性もある。
スプラトゥーン3、Nintendo Switch Sports、マリオカート8デラックスが好調
中間時点で100万本以上売れた自社ゲームタイトルは11本。「スプラトゥーン3」が790万本、「Nintendo Switch Sports」615万本、「マリオカート8デラックス」307万本などの販売が好調だった。
「スプラトゥーン」は2015年にWii U向けタイトルとして登場。2017年発売の「スプラトゥーン2」で累計販売本数が 1000万本を超えるビッグタイトルに成長した。今年9月に発売された 「スプラトゥーン3」は発売後4週間で販売本数(初動セルスルー)670万本超えとなる今年最大のヒットとなった。子どもから親世代、既存ファンから新規層まで幅広い支持を得ている。
また、デジタル売上⾼(ダウンロード、Nintendo Switch Online等)の売上が5割を超えたことも利益を押し上げた。2022年3月期のデジタル売上高は、2018年3月期比で約6倍の3,596億円となった。中間時点では30%増の1,878億円に達し、デジタル売上比率が51%と売上の半分を超えた。
期待のポケモン S・Vが11月18日発売
11月18日にはポケモン S・Vが発売される。11月12日時点のファミ通では、読まれた記事の上位が、1位「スラムダンク」、2位「ポケモン S・V」であり前評判も高い。今期中に1,500万本が狙えるとの声も出ている。
ただ、任天堂の株価は決算発表の翌11月9日に7%安と売られた。これは、中間時点でのスイッチの販売台数が19%減の668万台と減少したからだ。半導体不足の影響で生産が間に合わないため、通期予想である9%減の2,100万台を19%減の1、900万台へ下方修正した。
ただ、9月以降は生産が回復してきているようだ。スイッチの生産動向と「ポケモンS.V」の売れ筋によっては株式市場に任天堂に対する見方も変わるだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・©2022 Pokémon. ©1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
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