年末調整で使うと所得税と住民税を節税できる「生命保険料控除」について、適用限度額が12万円から15万円に引き上げられるかもしれない。金融庁が要望として出したもので、12月には見通しが分かるので、生命保険に入っている人は確かめておきたい。
12万円から15万円になると所得税がいくら安くなるのか?
生命保険料控除で所得税はどのぐらい節税できるかというと、たとえば年収が443万円(2021年度の平均年収)で保険料が適用限度額の12万円だとるすと、所得税が1万2,000円安くなる。
なお簡単にするため、所得税の計算は、サラリーマンならたいてい使える給与所得控除(443万円×20%+44万円)と基礎控除(48万円)のみを反映しており、医療費控除や扶養控除などは考慮していない。
もし税制改正要望が通って限度額が12万円から15万円になると、節税できる額が3,000円増えることになる。
生命保険料控除では必ずしも保険料全額を控除できるわけではない
注意しなければいけないのは、この“12万円”は多くの人が「生命保険」と聞いてイメージする死亡保険などの保険料だけで計算するわけではないことだ。この12万円には、介護医療保険、個人年金保険も含まれる。
年間の保険料にもとづく控除額(2012年1月1日以降の契約)では、年間の支払い保険料が8万円を超えると、控除額が最大の4万円となる。一般生命保険、介護医療保険、個人年金保険の3つを合算して12万円になるわけだ。
このため「年間の保険料が12万円だから、生命保険料控除も12万円分使える」ことにはならない。たとえば、死亡保険に年間12万円支払っても控除額は4万円となる。
今年は実現するのか?
税金が安くなるかもしれないなら期待したいところだが、この要望は2015年度から続けて出ているが実現しておらず、今年実現するかどうかは分からない。ただニュースは注視しておきたい。
文/編集・dメニューマネー編集部
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