急激な円安ドル高で、FXへの興味がわいた人も多いでしょうが、歴史的な水準の円安だけに、今からドルを買うのにためらっているかもしれません。これから為替がどうなるか分かりませんが、もし10年前にFXで100万円分のドルを投資していたらどうなっていたのでしょうか？外貨預金と比べてみましょう。

2012年はドル円いくらだったか？100万円はいくらに？

10年前、2012年のドル円相場は「円高」で、レートは1ドル86円でした。100万円をドルに交換すると約1万1628ドルです。 外貨預金と比べるため、レバレッジは1倍で計算しています。

今のレートは140円ほどなので、1万1628ドルを円にすると162万7920円となり、単純に60万円以上増えたことになります。

さらにFXには銀行の金利に相当するスワップポイントという仕組みがあり、異なる通貨の金利差から利益が得られます。

その額はFX会社や運用時期によって異なるのですが、ここでは1万通貨あたり1日100円だったとすると、10年間で約42万円となります。

ここでは為替手数料を考慮していませんが、単純計算で100万円以上利益が出せたことになります。

もしドル定期預金にしてたら？

これに対して、ドル定期預金でしていたらどうなっていたでしょうか。

銀行によって金利はまちまちなので、外貨の銀行金利の指標になるアメリカ1年国債の利率をあてはめて複利計算してみます。当然、毎年異なりますが、この10 年では最低だったのが0.10%（2021年-2022年）、高い年は2.33%(2018年-2019年)でした。

2012年に100万円を米ドルに交換した1万1628ドルを10年間運用すると、複利で1万2,518ドルになりました。これは現在のレート（140円）で円にすると、約175万円ということになります。

2012年に差し出した証拠金100万円は、スワップポイントと為替差により10年後に424万円+698万円＝1,122万円の利益をもたらしました。

もしレバレッジをかけていたら……

FXのケースでは、レバレッジを1倍で計算しましたが、もし10倍にしていたら、利益は約1000万円だったことになります。

レバレッジは国内のFX会社では、最大25倍まで増やすことができるので、「もし最大レバレッジをかけていたら……」と思わずにはいわれません。

ただし、レバレッジは大きな利益が期待できる反面、狙いと異なる方向に為替が動いたら大きな損失が出ます。

また急激に円高が進むと預けた証拠金がなくなるだけでなく、追加保証金で資金以上の損失が発生することもあります。

そもそも投資には絶対はありませんし、あとで「あの時こうしていたら……」と考えても仕方ありません。ただ、今後の投資判断をする際の参考にはなるのではないでしょうか。

文/編集・dメニューマネー編集部

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