会社員・男性(48)、共働き 子供2人(大学1年、高校2年)の相談
「一人暮らししている大学生の長男から、物価高で仕送りの増額を頼まれました。現在は月8万5,000円送っています。生活費の上昇分を考えると増額はいくらくらいが妥当でしょうか。上昇分は補ってあげたいですが、こちらも同様に生活費が上がっているのでむやみに上げることは避けたいです。夫婦の手取り月収は、合計約55万円です」
アドバイス1 物価の上昇分からして、増額は5,000円程度が妥当でしょう
最近の食費、光熱費の上昇を考えると、仕送りは月5,000円ほどの上乗せが妥当でしょう。食費は2人以上の世帯で年間約7万円、月約6,000円負担が増えており(総務省家計調査)、一人暮らしでも月3,000円近く増加していると考えられます。
また、光熱費(ガス代、電気代)は1年前と比べて約28%上昇しています。2021年の一人暮らしの光熱費は月平均7,883円ですので、今年はこの金額から月2,000円以上増えていてもおかしくありません。
これら食費、光熱費の値上げ分を踏まえると、5,000円ほど仕送り額を増やし、月9万円程度が適切といえるでしょう。
アドバイス2 大学や日本学生支援機構の支援について確認させよう
仕送り額を上げる一方、通っている大学や日本学生支援機構の支援もチェックしてみましょう。
急激な値上げを受け、大学によっては食堂の料金を割り引くなどして、学生の食費支援を行っています。
また、日本学生支援機構では、来年から、学生たちの食費や文房具、教材などの費用について支援している大学への助成を開始します。
全ての大学で助成が行われるわけではなく、支援方法や対象となる学生は各大学の判断になりますが、こうした支援が受けられるかどうか子供に確認させてみましょう。
仕送りの使い方について子供と話す機会を設けよう
私大1年生への仕送り額は月平均8万6,200円と、もともと軽い負担ではありません。これ以上の増額となると、子供が困らない金額との兼ね合いが難しいところです。
学業への影響もありますので、「アルバイトを増やして」と簡単にいうこともできません。
ただし、仕送り額を増やす代わりに、一度、その使い方について話し合う機会を設けましょう。これから年末を迎えますので、子供が帰省するならいい機会ではないでしょうか。
使い方を話し合うことで、子供に「送ってもらったお金を大事に使おう」という気持ちが芽生えれば、家計管理の上達にも役立つかもしれません。
文・武藤貴子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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