老人ホームで老後を静かに、おだやかに暮らそうと考えている人も多いだろうが、老人ホームに関しては「契約」に関するトラブルが意外と多く、予定以上にお金がかかってしまうことがある。ありがちな契約トラブルの事例と、トラブルを避けるためにすべきことを見てみよう。
トラブル1 終身介護のはずが退去を求められる
“終身介護”をうたっている老人ホームなら一生そこで暮らせると考えるものだが、途中退去を求められることがある。主な理由は、持病の悪化による長期入院、認知症による他の入居者とのトラブルなどだ。
退去を求められた時にとまどうことがないよう、入居前に、施設ごとに決められている退去の条件を確認しておこう。
条件は、施設ごとの契約書や重要事項説明書などに書いてあるほか、施設の担当者に聞けば教えてくれるはずだ。
トラブル2 退去時に入居一時金が少ししか戻ってこない
退去する時に、入居一時金が少ししか戻ってこなかったという事例もある。
入居一時金とは、月額費用とは別に、入居時に施設に支払う費用で、これを支払うことでその施設を終身利用する権利を得られる。
入居一時金がかかる老人ホームでは、何らかの理由で終身利用せずに退去する場合、施設で暮らしていた期間に応じて入居一時金の一部が戻されることになっている。ただ、計算方法は施設によって異なり、分かりづらいと感じる人も多い。
トラブルを避けるために、「1年で退去する場合にどれくらい戻されるのか」といった情報を契約書や重要事項説明書で必ず確かめよう。
トラブル3 パンフレットの月額費用と実際の請求金額が違う
相談の中には、パンフレットには月額費用20万円と書いてあったのに、実際は25万円を請求されたというものもある。
パンフレットの費用と請求額が違う理由は、月額費用でかかるお金がすべてまかなわれるわけではないからだ。たとえば、家賃や施設管理費、食費などは月額費用に含まれるが、その他のオムツ代やレクリエーションで使う道具代などは、利用するたびに月額費用に加算されるケースがある。
トラブルを避けるためには、施設に入る前に、月額費用に何が含まれるのか(含まれないのか)、実際にかかる費用の総額、平均額を詳しく聞いておこう。
トラブル4 契約内容と実際のサービス内容が違う
「入浴の回数が少ない」「スタッフの人数が少ない」など、事前に確認した契約内容と実際のサービス内容が違うというトラブルもある。
明らかな契約違反の場合は、弁護士を通じて訴えることもできるが、お金も手間もかかる。
こうした施設に入らないようにするために、契約内容の細かな部分についても担当者に確認を取るようにしよう。体験入居などを通じて、実際のサービス内容を把握するのも一つの手だ。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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