親の介護をめぐっては、兄弟・姉妹間でトラブルになることも少なくない。親の介護を兄弟・姉妹の断絶のきっかけにしないようよくあるトラブルのケースをおさらいして対策を立てよう。
1 役割分担をめぐる人間関係トラブル
「仕事が忙しい」「子供に手がかかる」といった都合を主張し、兄弟間で介護を押し付け合うトラブルがある。親が70〜80代であれば、子どもは50歳前後で働き盛り、子育て中という人も少なくない。
そうなると介護の分担がなかなか決まらず、最終的には、誰かが割りを食うケースも多い。頼られやすいのは、長男や長男の嫁、同居している人、実家の近くに住んでいる人、独身者などだ。
2 介護費用の負担を押し付け合う金銭トラブル
介護費用が親の年金や貯金だけでは足りない時、子どもが分担して補わなければいけないが、「子どもの教育費がかかる」「住宅ローンが残っている」などと主張して負担を渋るケースも関係を悪化させやすい。
兄弟・姉妹で分担することは決まったが、「完全に均等に負担するか」「遠方で介護ができない人は多く負担するか」といった割合で揉めることもある。
トラブルを避けるためにやるべきこと
トラブルを避けるためには、介護が始まる前から準備を進めておくことが大切だ。具体的にどんな準備をすべきなのか。
親の意思と経済状況を確かめる
親の介護が必要になった時に「老人ホームと家のどちらで過ごすか」といった介護の方針をめぐって兄弟・姉妹間で揉めることがないよう、親がどんな介護を望んでいるのか聞いておこう。
また、お金の話は切り出しにくいかもしれないが、親の年金などの収入と貯金についても聞いておきたい。
経済状況を早めに知れば「親のお金だけで賄えるのか」「足りない場合は兄弟間でどのように負担するか」など時間をかけて話し合える。
役割分担について話し合う
兄弟・姉妹の中で誰か一人の負担が極端に大きくなってしまうとトラブルに発展しかねないので、役割分担についても話し合うべきだ。
協力して親の介護をする場合、メインで介護をする「主介護者」や、介護サービス事業者と打ち合わせや契約手続きをする「キーパーソン」を決めるが、任された人の負担はどうしても大きくなる。
他の兄弟・姉妹は、「週末だけ手伝う」「遠方に住んでいる人は資金援助をする」「親に定期的に電話する」などの役割を決め、主介護者やキーパーソンの負担を減らそう。
親の介護が原因で兄弟・姉妹の仲が悪くなれば、親は悲しむはずだ。早めに準備を進めよう。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
(2022年12月04日公開記事)
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