嘘をついて出張費用を請求したり、会食と偽って個人的な飲食代を経費で落としたりする行為が会社にバレると、減給などでは済まない場合があります。軽い気持ちで嘘をつくと、罪に問われるかもしれません。
悪質な場合は減給や降格ではなくクビに
カラ出張が会社にばれてクビ、退職金が支給されないというケースは実際にあります。中には減給や降格で済んだ場合もありますが、何度も繰り返したため悪質と判断され、裁判所が解雇や退職金の不支給を「適切」とした判例があるのです。
カラ出張とは、その名の通り、行ってない出張のことで、交通費を着服する行為です。たとえば新幹線の券を買って領収書を発行した後、払い戻して実際には交通費がかかっていないのに領収書を会社に出して、立替経費としてお金を受け取るようわけです。
うっかり金額を間違えたなど故意でなければ解雇はされないでしょうが、意図的に会社のお金をだまし取ろうとしたなら、会社をクビになる場合があります。
「業務上」横領は横領より罪が重い!
受け取る権利がない会社のお金を不正に受け取ることは、業務上横領罪にあたる犯罪行為です。
一般的な横領罪なら5年以下の懲役ですが、業務上横領罪では量刑が重く、10年以下の懲役刑を科される可能性があります。
お金をだまし取って詐欺罪になった場合や、だまし取ろうとして詐欺未遂罪になった場合も10年以下の懲役です。
詐欺未遂罪は騙そうとした時点(不正請求をした時点)で成立するので、実際にお金をだまし取ったかどうかは関係ありません。
領収書を偽造すると3ヵ月以上5年以下の懲役
出張以外にも、領収書をとって経費にしやすいのが飲食。実際に飲食していないのに、領収書の用紙を自分で購入・記入して偽造したら私文書偽造罪です。
お店から受け取った領収書に書き足したり、数字を書き換えたりして費用を水増しする行為もこの罪にあたります。
これらの不正は当然のことながら絶対にやってはいけない行為です。経費の取り扱いは会社ごとに規定が異なるので、勤務先の規定に従って正しく申請しましょう。
文・大垣秀介(マネーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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