十分に検討して入居を決めた老人ホームでも、思わぬところで費用の請求を受けるなど、お金のトラブルは後を絶たない。トラブルを避けるためには、どのようなことをすべきだろうか。トラブルを避けられなかった時、被害を最小限に抑えるためにすべきことも見てみよう。
その1 契約前に費用についての説明を納得するまで受ける
老人ホームが実施している説明会や見学会などで、「入居時にかかる費用」「月額費用に含まれる費用と、月額費用とは別に発生する費用」「退去時にかかる費用」など、すべての費用について十分に説明を受けよう。
説明に納得がいかない場合は何度でも聞き、それでも納得がいかない老人ホームとは契約しないほうがよい。
特に注意して確認したいのが、入居一時金の返還額だ。入居一時金とは、月額費用とは別に、入居時に施設に支払う費用のことで、これを支払うことでその施設を終身利用する権利を得られる。
入居一時金がかかる老人ホームでは、何らかの理由で途中退去する場合、施設で暮らしていた期間に応じて入居一時金の一部が返還されることになっている。具体的な計算方法は施設によって異なり、「思っていたより返還額が少なかった」というトラブルも多いので、契約前に必ず確認しておこう。
その2 契約書類を大切に保管する
施設の概要やサービス内容、かかる費用などが書かれている「重要事項説明書」などの契約書類は、大切に保管しよう。
お金のトラブルが発生した場合、契約書類は重要な証拠になる。念のために、コピーを取っておくと安心だ。
その3 トラブルになりそうな時は早めに相談窓口に連絡する
どれだけ気をつけていてもお金のトラブルが発生することはあるので、トラブルになりそうな時は早めに相談窓口に連絡しよう。
例えば、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りの消費生活センターなどにつながり、専門の相談員が相談に乗ってくれる。
法の力でなければ解決できない場合は、法テラス(日本司法支援センター)に相談できる。法テラスは国が設けた法的トラブル解決のための総合案内所で、トラブルを解決するために必要な情報を無料で教えてくれる。
老人ホームに入った後で「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、入居者やその家族はしっかり対策を講じてほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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