iDeCoは「投資信託」のほかに、定期預金のような「元本確保型」の商品が選べるが、「元本確保型」なのに“元本割れのリスク”がある。また、元本確保型は、ほとんど資産が増えないというデメリットもある。iDeCoで効率よく老後資金を増やすためには、どのような方法が有効なのだろうか?
なぜiDeCo「元本確保型」商品で元本割れになるリスクがあるのか?
前述のように、掛金を自分で運用するiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)では、「投資信託」のほかに、定期預金のような「元本確保型」の商品が選べるが、実は「元本確保型」なのに“元本割れのリスク”がある。
元本確保型を選ぶとなぜ元本割れしてしまうのか
運用に慣れていない人の多くは、「とりあえず元本確保型を選べば安心」と考えるだろう。しかし元本確保型でも元本割れのリスクがある。
それは「手数料」がかかるからだ。
iDeCoに加入すると、掛金を支払うごとに以下の3種類の手数料がかかる。
支払先 | 金額 |
---|---|
国民年金基金連合会 | 105円 |
運営管理機関(窓口の金融機関) | 金融機関ごとに異なる (無料~数百円程度) |
事務委託先金融機関(信託銀行) | 66円(目安) |
もし運営管理機関の手数料が無料だとしても、加入者の毎月の手数料負担は171円、1年間では2,052円となる。
つまり、運用で2,052円以上の利益が出なければ、その分、元本割れになってしまうわけだ。
たとえば毎月の掛金が2万円で、全額を年利0.002%の定期預金(1年)で運用した場合、1年間の利息はわずか4.8円となる。
元本確保型で手数料以上の利益を出すのは、ほぼ無理だと分かる。
そう考えると、iDeCoで「元本確保型」だけを選んでいては、手数料を上回る運用益は期待できないので、「投資信託」を選ぶ必要がある。
50代でイデコを「元本確保型だけ」にしないほうがいい理由
50代では守りの投資が好まれるが、定年間近の年代だからこそ、iDeCoに関してはリスクを取った運用をしてもよいだろう。
なぜ、50代からiDeCoを始める場合に限って、守りよりも攻めの姿勢が大事なのか?
元本確保型だとほとんど増えない
iDeCoでは大きく分けて元本確保型と投資信託の2種類から投資商品を選ぶが、元本確保型はほとんど資産が増えない。
元本確保型商品には、金利が年0.002%しかない定期預金もある。100万円預けても年間20円しかもらえず、iDeCoの加入手数料2,829円に到達するまで100年以上かかる。
iDeCoの手数料すら得られない運用は、できる限り避けるべきだ。
リスクは掛金の額で調整すればよい
リスクをできる限り取りたくない人は、掛金を調整することでリスクを抑えられる。
加入者の職業にもよるが、iDeCoの掛金は毎月5,000円~6万8,000円まで1,000円単位で決められる。
リスクを極力抑えたいなら、iDeCoの掛金は毎月1万円程度がよいだろう。毎月1万円で毎年5%の利回りで運用できれば、10年後には150万円以上になる。
iDeCoの掛金はすべて株式などのリスク資産で運用し、リスクを取りたくない資産は銀行の定期預金にするといった区別をしたほうが、iDeCoの中でさまざまな資産が混在する場合よりも分かりやすくなる。
詳しく読む>>
50代のイデコでも「元本確保型だけ」にしないほうがいい理由
文/編集・dメニューマネー編集部
【関連記事】
・絶対避けたい!「老後破産」特集
・初心者向け!ネット証券オススメランキング(外部)
・いつ借りる?借り換える?「住宅ローン」
・積立NISAを始めるタイミングは2022年がベスト?(外部)
・お金が貯まる?「風水・占い」特集