老人ホームはトラブルが多く、退去を迫られることもある。トラブルの中にはお金によるものもあり、入居時と話が違うというケースも見られる。また、多くの人が集団で生活をしているため、人間関係のトラブルも起こることがある。老人ホームではどのようなトラブルが見られるのか?
「老人ホーム」でよくあるトラブル
たくさんの人が集まればトラブルは起きるもので、それは老人ホームでも同じ。最悪の場合、出ていかなければいけなくなるかもしれない。老人ホームで多いトラブルはどのようなものなのだろうか。また、トラブルを避けるためにはどのように施設を選べばよいのだろうか?
「言い寄られた」「安物を着ている」──悪口や恋愛感情による人間関係トラブル
相性がよくない入居者からの悪口や無視だ。レクリエーションで作った作品を「センスがない」と言われたり、着ている洋服を「安物の服ばかり着ている」と言われたりすることがある。
他の入居者から一方的に恋愛感情を抱かれ、「執拗に言い寄ってくる」「異性のスタッフと親しく話しているところを見られ、文句を言われる」などのトラブルに巻き込まれることもある。
入居者とスタッフの間では、「スタッフから無視される」「嫌味な言い方をされる」「頼み事をすると返事はされるが実際にはやってくれない」といったトラブルがある。
こうしたトラブルは、スタッフが忙しくて対応しきれずに、入居者にそのように感じさせてしまうことも多い。
「お金が盗られた」──認知症が原因のこともあるお金のトラブル
認知症の人が、他人のお金を自分のものだと思い込んで盗んでしまうケースがある。老人ホームでは命の危険を防ぐために部屋に鍵がついていないことが多い。その場合は他人の部屋に簡単に入れてしまうので、お金が紛失するトラブルにつながる。
そのほかに、認知症や物忘れの症状により、本人はお金を持っていなかったのに「お金が盗まれた」と勘違いしてしまうケースもあるという。
このようなトラブルに親や兄弟姉妹が巻き込まれたら、施設のスタッフに相談しよう。施設の対応に問題がある場合は、自治体の相談窓口に相談できる場合もある。
老人ホームの「お金のトラブル」を防ぐ方法!
十分に検討して入居を決めた老人ホームでも、思わぬところで費用の請求を受けるなど、お金のトラブルは後を絶たない。トラブルを避けるためには、どのようなことをすべきだろうか。トラブルを避けられなかった時、被害を最小限に抑えるためにすべきことも見てみよう。
契約前に費用についての説明を納得するまで受ける
老人ホームが実施している説明会や見学会などで、「入居時にかかる費用」「月額費用に含まれる費用と、月額費用とは別に発生する費用」「退去時にかかる費用」など、すべての費用について十分に説明を受けよう。
説明に納得がいかない場合は何度でも聞き、それでも納得がいかない老人ホームとは契約しないほうがよい。
特に注意して確認したいのが、入居一時金の返還額だ。入居一時金とは、月額費用とは別に、入居時に施設に支払う費用のことで、これを支払うことでその施設を終身利用する権利を得られる。
入居一時金がかかる老人ホームでは、何らかの理由で途中退去する場合、施設で暮らしていた期間に応じて入居一時金の一部が返還されることになっている。
具体的な計算方法は施設によって異なり、「思っていたより返還額が少なかった」というトラブルも多いので、契約前に必ず確認しておこう。
トラブルになりそうな時は早めに相談窓口に連絡する
どれだけ気をつけていてもお金のトラブルが発生することはあるので、トラブルになりそうな時は早めに相談窓口に連絡しよう。
例えば、消費者ホットライン「188」に電話すると最寄りの消費生活センターなどにつながり、専門の相談員が相談に乗ってくれる。
法の力でなければ解決できない場合は、法テラス(日本司法支援センター)に相談できる。法テラスは国が設けた法的トラブル解決のための総合案内所で、トラブルを解決するために必要な情報を無料で教えてくれる。
老人ホームに入った後で「こんなはずじゃなかった」ということにならないよう、入居者やその家族はしっかり対策を講じてほしい。
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老人ホームの「お金のトラブル」を防ぐ3つの方法!
文/編集・dメニューマネー編集部
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