連載 不動産投資・初心者が知っておくべきこと
第1回では、不動産投資がお金持ちの資産運用というわけではなく、若い人たちが投資していることを紹介しました。ただ、投資といえば株式投資やFXのほうが一般的でしょう。そもそも不動産投資とはどのような投資なのか、株式投資との比較で確認してみましょう。
不動産投資では転売ではなく、保有して長期で利益を得るのが一般的
不動産投資にも株式投資も、利益を得る方法は2つです。
一つは安く買って高く売ることで「売却益」を得る方法です。この利益を「キャピタルゲイン」といいます。もう一つはマンションや駐車場などを保有し続けることで、賃料のような「運用益」を得ること。これが「インカムゲイン」です。
会社員として勤めながら不動産投資をする人が狙うのは後者の「インカムゲイン」が一般的です。「本業以外の副収入」「将来の年金代わり」や「生命保険代わり」を目的に投資するわけです。
賃収のいいところは、ローン完済後は毎月の返済がなくなるので、将来の収益額アップが見込まれることです。例えば、25年ローンを組み、30歳で不動産投資を始めたサラリーマン投資家は、定年を迎える少し前の56歳から、その“うまみ”を味わい、それは定年後も続くことになります。
銀行融資が受けられるのが株式投資との決定的な違い
投資には元手が必要です。株式投資の場合、その元手は自分で用意しなければなりませんしが、不動産投資は銀行からお金を借りて投資する点が大きく異なります。
一般に不動産は高額ですから、現金で一括購入できる人はなかなかいません。投資家が会社員で定期的に給料を得ているなど信用があり、担保となる物件がしっかり収益を生む、資産価値があると認められれば、金融機関は費用を融資してくれます。
とはいえ「頭金」も必要ですが、それすら不要の、購入費用を全額融資してくれる「フルローン」が可能になる場合もあります。
不動産はミドルリスク・ミドルリターン
投資では、利益が生まれることもあれば、損失が出ることもあります。投資のリスクとリターンは相関関係にあり、リスクが大きくなれば期待できるリターンも大きくなります。その大小によって「ハイリスク・ハイリターン」「ミドルリスク・ミドルリターン」「ローリスク・ローリターン」の3種類のタイプに分かれます。
一般に株式投資やFX(外国為替証拠品取引)は「ハイリスク・ハイリターン」と言われます。短期で大きな利益を得る一獲千金が可能な半面、一瞬にして資産を失う可能性があります。株価や為替に影響のある情報を常にキャッチして、状況に応じた的確な判断が求められます。
他方、国債や投資信託はローリスク・ローリターンの商品とされます。リスクは抑えられますが、得られる利益は銀行預金の利息より多いものの、株やFXで生まれる利益よりははるかに少額になることが多いのです。
これらに対して不動産投資は、中間のミドルリスク・ミドルリターンに分類されます。空室リスクや災害リスクなど、不動産特有のリスクはあるものの、宣伝したり、保険に入ったりと対策をたてることで、リスクはある程度コントロールできます。株式のような一獲千金は無理にしても、国債の利息や投資信託の配当金よりも高い利益が安定的に得られるとされています。
低金利と年金不安で注目高まる不動産投資
不動産投資と株式投資の大きな違いは、金融機関からお金を借りて投資を行い、長期間、定期収入が得られることです。
日本では低金利が続いているので、ローンを借りるという意味では、有利な状況と言えます。将来の年金に不安がないという人は少ないでしょう。老後に必要な資産をつくるために、どのような投資が自分に合っているのか、それぞれの特徴をよく理解した上で、選びましょう。
文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
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