投資は早く始めるほど効果が大きくなる。子供のために資産をつくるには税制が優遇される「ジュニアNISA」を利用しない手はない。
老後2,000万円問題を余裕でクリアする「複利の効果」とは?
金融庁が報告書で「人生100年時代を迎え老後資金として2,000万円が必要だ」と試算したのは2019年だが、以前から政府は、老後を快適に過ごすために公的年金以外の個人年金の必要性を示し、長期の資産形成に有効な優遇税制を取り入れたNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)の整備を進めてきた。
投資の効果とは?
投資の効果はどの程度大きいのだろうか。
たとえば、毎月3万円の積立投資を続け、年平均5%で運用できれば、26年11ヵ月(323ヵ月)で2,000万円が貯まる(手数料・税金は考慮しない)。元本969万円(3万円×323ヵ月)が、倍以上に増える計算だ。20歳で積立投資を始めれば50歳前に2,000万円を貯めることは決して難しい事ではないということだ。余裕があるならば税制優遇の効果が大きいNISAとiDeCoの枠を最大限に使いたい。
複利の効果とは?
それでは余裕がない場合はどうだろうか。老後直前の3年間で、上のケースと同じように元本969万円を一気に貯めると仮定してみよう。すると、毎月約26.75万円の積み立る計算となる。正直なところ、そんなに毎月積み立てられるないだろう。にもかかわらず、その大金を年平均5%の運用結果は「1,037万円」にしかならない。2,000万円には大きく足りない。たった3年しかないからだ。
投資元本が同じでも運用期間が長ければ長いほど投資の効果は高まる、これが「複利の効果」だ。複利は利息の計算方法のひとつで、受け取った収益を再び投資元本に組み込んで得られるリターンを計算する。上記の例では、運用利回り5%が投資元本に毎年組み込まれるため、元本から生まれる利息(運用益)は時間が経過するごとに増える。
子どもの将来のために「ジュニアNISA」枠の活用を
投資は早く始めれば有利なのだから、小さい頃からスタートしていればそれだけで大きな差がつく。子どもや孫のために「ジュニアNISA」の活用を検討したい。
ジュニアNISAは年間80万円までの投資が最長5年非課税に
ジュニアNISAは、子どもの将来の資産形成を目的として2016年度から始まった制度で、未成年者(0~19歳)を対象に、年間上限80万円の非課税投資枠が設定され最長5年間非課税になる。「少額投資非課税制度」とも呼ばれ、未成年の子や孫などの2親等以内の親権者であれば、子どもや孫のためにジュニアNISA口座を開設し、資金を拠出して資産運用管理を行うことができる。
NISAと同様にメリットは大きい。年間80万円の枠内なら、個別株式や投資信託を購入できる。上限内ならば相続税もかからない。
ジュニアNISAには「18歳まで受け取れない」などの制限もある
ただ、ジュニアNISAにも制限がある。基本的に18歳まで払い出しができないのだ。もし18歳よりも以前に入学金などのまとまった予定外の出費が必要になったとしても、払い出すと課税されてしまう。この点で、学資保険などと比べてデメリットが大きいとされた。
そのジュニアNISAは2023年で終了予定のため、既に始めている人、検討していた人は注意が必要だ。
まず2024年に20歳になる場合、自動的に(ジュニアではない一般の)NISA口座へ口座移管される(ロールオーバーという)。2023年の制度終了時点で20歳になっていない場合は20歳になるまで金融商品を非課税で保有し続けられる。その間、売ることはできるが新たな買付はできない。
ここで注目したいのが、「2024年以降の解約については非課税で解約が可能になる点」だ。解約しても非課税で売却できるならジュニアNISAを使うデメリットがなくなる。使い勝手が大きく変わるというわけだ。
ジュニアNISAは子どもへの素晴らしい贈りもの
2021年の今からでも、2023年まではジュニアNISAを始められる。子どもが20歳になったときに本人のNISAにロールオーバーするなら、税制優遇効果を活かしながら複利効果もあって、お金持ちになるための“元手”くらいにはできるかもしれない。NISAという形で資金を残すことは、子どもの金融リテラシーの向上につながるのではないだろうか。素晴らしい贈り物と言えるだろう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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(2021年4月28日公開記事)