勝率8割超の「IPO」 投資が怖い人に向いている理由とは?

2021/09/18 16:40

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株式投資にはリスクがつきものだが、IPO投資は勝率が高く、騰落率が高い。投資が怖いと思っている人にとってIPO(新規公開株)投資は、第一歩を踏み出す良いキッカケになるはずだ。IPO株に当選すれば8割を超える確率で利益を掴むことができ、初値でテンバガー(10倍株)を手にするのも夢じゃない。 本連載ではこれから投資を始めよ

株式投資にはリスクがつきものだが、IPO投資は勝率が高く、騰落率が高い。投資が怖いと思っている人にとってIPO(新規公開株)投資は、第一歩を踏み出す良いキッカケになるはずだ。IPO株に当選すれば8割を超える確率で利益を掴むことができ、初値でテンバガー(10倍株)を手にするのも夢じゃない。

本連載ではこれから投資を始めようとしている方、IPOに興味がある方に向けてIPO投資の基礎を解説していく。連載を通じて中級者の視点が身に付くよう進めていく。連載第1回は勝率8割を超えるIPO投資の魅力をお届けしよう。

IPO投資100株の当選で445万円儲かったことも

IPOは「Initial Public Offering」の略で、上場を示す「新規公開」や上場銘柄を示す「新規公開株式」の意味で使われることが多い。未上場企業が東京証券取引所などに上場する際、新規資金調達や株主を増やす目的で既存株主が保有している株を広く一般の投資家に募集をかけて売り出す。これを「公募売り出し」と呼ぶ。

公募売り出し株の抽選に申し込み、当選を狙うのがIPO株投資だ。公募価格で売り出された株は上場時に人気化し、上場時に初めて付く株価(初値)が上昇する確率が高く、上昇率も高いことが多い。

IPO投資のメリット・デメリット

メリット

・通常は勝率が8割を超える高さ
・初値倍率は2倍近い高リターンが期待できる。場合によってはテンバガーも
・比較的小口資金でも投資可能

過去3年の初値の勝率、初値騰落率(2021年4月23日時点)

IPO投資は公募価格で支払った金額よりも初値が上昇すれば利益が出る。過去3年の初値勝率は、19年は90%、20年は75%、21年は4月23日時点で100%となっている。コロナショックがあった20年こそ勝率はやや低いが、平均初値騰落率は2020年で2.3倍、2021年で約3倍だ。

IPO入門!読めば身につく中級者の視点
(表=dメニューマネー編集部)

あくまでこれは平均だ。2018年に新規上場したAI将棋で話題を呼んだHEROZ <4382> は、4,500円の公募価格に対し初値が4万9,000円の11倍に化けた。IPO初となる、初値テンバガー(株価が10梅になった銘柄のこと)となった。

もし最低単位の100株当選した人は、初値で売るとそれだけで445万円の利益を手に入れることが出来た。2020年にもAIシステム開発のヘッドウォータース <4011> が初値テンバガーの過去最高倍率を達成。公募価格2,400円に対し12倍の28,560円をつけた。100株で261.6万円の利益だった。

2021年の公募価格は一番高い企業でも5,500円。平均は2,000円程度。当選するとしても通常は最低単位の100株なので、20万円〜50万円程度の資金があれば公募株に応募できる。

デメリット

・抽選倍率が高くなかなか手に入れられない
・当選確率を上げるために多くの証券会社に口座を作るなど手間がかかる
・公募価格割れリスクはある 特に相場の急落時などには注意

抽選倍率を証券会社が公表することは一般的に無いが、楽天証券が申込者に対し公表している数値を参照すると、大型IPOでも10倍程度、人気がある企業は1,000倍を超えるものも多いようだ。

上場する企業は公募売り出し時に参加する証券会社を決めるので、IPOに応募するためにはその証券会社に口座を開設している必要がある。売り出しに参加する証券会社を幹事と呼び、中心となる証券会社を主幹事と呼びます。主幹事のほうが売り出し株数の割り当てが多いので、IPO主幹事が多い証券会社に口座を持っているほうが有利だ。

2020年のIPO主幹事数のトップ5は、野村、みずほ、SBI、SMBC日興、大和である。IPO投資家は、こうした証券会社に自分および家族の口座まで開設しているIPO投資に臨んでいる。

抽選のロジックは証券会社によって異なる。完全抽選や預り資産規模、売買手数料の実績などをもとに、投資家に傾斜配分するなどさまざまだ。証券会社によっては申込時に口座に資金が入っている必要がある場合があることにも注意だ。

8割以上の確率で上昇することの多いIPO投資だが、人気がなく公募価格割れのケースもある。次のようなケースは注意が必要だろう。

・ 直接東証1部に上場するような大型案件
・ 一度上場廃止した後の再上場案件
・ 同日に複数の銘柄が上場する場合(人気銘柄に資金が集中し不人気銘柄は公募価格割れ)

いずれにしても、損する確率は10回に2回程度。最大損失は100株当たり2019年で19,000円、2020年で95,000円程度である。アップサイドに比べれば、過度に不安になるレベルではなさそうだ。

他の投資との違いは小まめに申し込むこと

IPO投資は応募しないと絶対に当たらない。申し込むのはノーリスクだ。もし、相場急落時で怖くなった場合は申込みを辞退すればお金は掛からない。

当選確率を上げるために傾向と対策を整理し、多くの証券会社に口座を開設し、年間100件ほどあるIPOの幹事証券に応募し、場合によっては家族口座でも申込み、必要によっては応募した証券会社に資金を移すという手間がかかる。人気のIPO投資は楽をしていては当選確率が上がらない。

次回はIPO投資で絶対に避けたい凡ミス事例と対策を紹介する。

文/編集・dメニューマネー編集部

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