連載 そのコトバ、子どもに説明できますか?
投資や経済、金融、ビジネスで頻出するさまざまな専門用語。なんとなく知っているけど、うまく説明できないという言葉はたくさんあると思います。そんな専門用語も、だれかにちゃんと説明できるようになれば、しっかり理解していると言えるはずです。お子さんがいらっしゃる方も、いらっしゃらない方も、子供に向けて、専門用語を説明できるようになりましょう。
第3回「NISA・つみたてNISA」
「投資」に常につきまとう「税金」の悩み・問題を解決できるのが「NISA・つみたてNISA」です。買った株式を売った際に出た利益にも税金はかかりますし、株式を持っていて配当金が出ればこれにも税金がかかります。
NISA(ニーサ)──税金がかからなくなるお得な制度
NISA(ニーサ、Nippon Individual Savings Account)は、「NISA口座」と呼ばれる非課税口座を利用すれば、毎年120万円の範囲内で購入した株式などの金融商品から得られる利益や配当金について“税金がかからない”という非常にお得な制度です。
買えるのは日本・外国の株、投資信託、ETFなどです。個人向け国債や外国為替、金・プラチナなどは買えません。
120万円の非課税枠ですが、一度に120万円分を使うことも、小分けにして使うことも可能です。あくまで年間上限が120万円です。
このため、たとえば5月にA社株(100万円)とB社株(20万円)を買って、3月になってB社株20万円を売っても、NISAの非課税枠が20万円分また増えるというわけではありません。
また、NISAの非課税期間は5年間です。つまり、買ってから5年以内に、株式の値上がり益が出ている場合はもちろん、たとえ値下がりしていても配当金によって利益が出ていれば、NISAのメリットを受けられます。
また、仮に5年以内に利益が出なかった場合でも、対応策が用意されています。それは、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移せるというものです(ロールオーバーという)。
つみたてNISA──長期・積立・分散投資のための制度
「つみたてNISA」は、「つみたて」という言葉から分かるとおり、少額からの長期・積立・分散投資のための制度です。
自分でどの株式を買うか選ぶNISAと異なり、つみたてNISAは、買える商品が限定されています。それは、長期・積立・分散投資に適した公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)です。
自由度ではNISAに劣りますが、選択肢が多すぎても困るという投資初心者にとってはNISAよりも逆に利用しやすいと言えるでしょう。
NISAの説明でも出てきた毎年付与される金額枠については、つみたてNISAの場合、年間上限が40万円です。
NISAかつみたてNISAか、どちらか一つしかできない
「NISA」と「つみたてNISA」は、残念ながらどちらかを選ばなければいけません。また口座を作れるのは一つの金融機関です。つまり、「NISA口座を2つ作る」ことはできません。
なお2023年に既存のNISAは終了し、2024年から2028年まで「新NISA」(仮称)が始まりますので、こちらは改めて学ぶ必要があります。つみたてNISAについては、2042年まで口座開設できます。
投資につきものの「税金」の悩みを解消してくれるNISA・つみたてNISA制度をうまく活用しましょう。
文・若杉篤史(RAKAN RICERCA代表)
編集・濱田 優(dメニューマネー編集長)
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