イデコを50代ではじめるメリット 投資初心者が見落としがちな注意点

2023/04/11 19:00

定年がそろそろ現実味を帯びてきた50代でも、イデコを始めるのは遅くはない。イデコは老後資金を蓄えられるだけでなく、節税の効果もある。ただし、イデコには注意点もあるので、投資初心者の人は、元本確保型と投資信託などイデコの特性をしっかりと理解して始めるべきだ。 50代でイデコを始めるのは遅すぎる? 50代はそろそろ老後・リ

定年がそろそろ現実味を帯びてきた50代でも、イデコを始めるのは遅くはない。イデコは老後資金を蓄えられるだけでなく、節税の効果もある。ただし、イデコには注意点もあるので、投資初心者の人は、元本確保型と投資信託などイデコの特性をしっかりと理解して始めるべきだ。

50代でイデコを始めるのは遅すぎる?

50代はそろそろ老後・リタイアの時期が視野に入る時期で、これまでしてきた“備え”で十分か不安だという人もいるかもしれない。老後のお金の備えとして代表的な商品の一つに「iDeCo」(イデコ)があるが、「まだ始めていないけど、やったほうがいいんだろうか」と迷っている人も多いだろう。50代からでも始めたほうがいいのか?

50代からでも遅すぎるということはない!イデコのメリット

結論からいうと、50代からでも始めるのが遅すぎるということはない。ただし、期間が短いからこそ注意しなければいけないこともある。

イデコのメリットは、「節税」だ。(1)積立、(2)運用、(3)出金──の3段階にわたって節税できる。

中でも特に効果が高いのは(1)積立時の「所得控除」だ。

たとえば、年収600万円の52歳会社員Aさんが、毎月2万3000円(企業年金のない会社員の限度額)を払うとした場合、1年間の節税額は5万5200円になる(イデコ公式サイトによる)。

これは、利回り20%と同じ効果がある。銀行へ100万円を預けても1年後には10円~20円程度しか増やせないことを考えれば十分な利益だ。

このほかにも、(2)運用の段階でついた利益にも税金はかからないし、資産を受け取る(3)出金の際にも優遇される。

50代でイデコを運用するときの注意点

短い加入期間で「大きな損失」が出ると、損失をカバーできないままになってしまう恐れがある。

若いうちに始めていれば、減った分を取り戻せるかもしれないが、50代からだと10年もあない。その短い期間に大損したら大変なことになる。

このため、加入期間が短いなら、リスクを抑えた商品を選ぶ必要があるだろう。

たとえば元本確保型商品(定期預金等)や債券型投資信託、低リスクのバランス型投資信託などが挙げられる。

こうした商品はリスクが低いかわりに、増える可能性も低くなるが、大切な老後資金がなくなってしまうようなことは避けるべきだろう。

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50代でイデコを始めるのは遅すぎる?

50代のイデコでも「元本確保型だけ」にしないほうがいい理由

50代では守りの投資が好まれるが、定年間近の年代だからこそイデコに関してはリスクを取った運用をしてもよいだろう。なぜ、50代からイデコを始める場合に限って守りよりも攻めの姿勢が大事なのか?

元本確保型だとほとんど増えない

イデコでは大きく分けて元本確保型と投資信託の2種類から投資商品を選ぶが、元本確保型はほとんど資産が増えない。

元本確保型商品には、金利が年0.002%しかない定期預金もある。100万円預けても年間20円しかもらえず、iDeCoの加入手数料2,829円に到達するまで100年以上かかってくる。

イデコの手数料すら得られない運用は、できる限り避けるべきだ。

リスクは掛金の額で調整すればよい

リスクをできる限り取りたくない人は、掛金を調整することでリスクを抑えられる。

加入者の職業にもよるがイデコの掛金は毎月5,000円~6万8,000円まで1,000円単位で決められる。

リスクを極力抑えたいなら、イデコの掛金は毎月1万円程度がよいだろう。

毎月1万円で毎年5%の利回りで運用できれば、10年後には150万円以上になる。

イデコの掛金はすべて株式などのリスク資産で運用し、リスクを取りたくない資産は銀行の定期預金にするといった区別をしたほうがイデコの中でさまざまな資産が混在する場合よりも分かりやすくなる。

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50代のイデコでも「元本確保型だけ」にしないほうがいい理由

文/編集・dメニューマネー編集部

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