50代はそろそろ老後・リタイアの時期が視野に入る時期で、これまでしてきた“備え”で十分か不安だという人もいるかもしれません。
老後のお金の備えとして代表的な商品の一つに「iDeCo」(イデコ)がありますが、「まだ始めていないけど、やったほうがいいんだろうか」と迷っている人も多いでしょう。50代からでも始めたほうがいいのでしょうか?
50代からでも遅すぎるということはない!イデコのメリット
結論からいうと、50代からでも始めるのが遅すぎるということはありません。ただし、期間が短いからこそ注意しなければいけないこともあります。
イデコのメリットは、「節税」です。(1)積立、(2)運用、(3)出金──の3段階にわたって節税できることです。
中でも特に効果が高いのは(1)積立時の「所得控除」です。
例えば、年収600万円の52歳会社員Aさんが、毎月2万3000円(企業年金のない会社員の限度額)を払うとした場合、1年間の節税額は5万5200円になります(イデコ公式サイトによる)。
これは、利回り20%と同じ効果があります。銀行へ100万円を預けても1年後には10円~20円程度しか増やせないことを考えれば十分な利益です。1年でこれだけの効果が得られる以上、仮にAさんが58歳で、1年ちょっとしか運用できないとしても検討する価値はあるでしょう。
このほかにも、(2)運用の段階でついた利益にも税金はかかりませんし、資産を受け取る(3)出金の際にも優遇されます。
50代で加入する場合の注意点
ただし、上でも述べたように、50代から始めると、加入期間が短いので主に次の2点に注意が必要です。
注意点1 年金の受給開始年齢が先延ばしされ、口座管理手数料が増える
イデコの掛金を拠出(支払い)できるのは60歳までですが、この時点で加入期間が10年に満たない場合には、すぐには資金を引き出せません(加入期間は企業型確定拠出年金の加入期間も含めた通算期間で計算します)。
たとえば58歳になるのと同時に始めたとすると、60歳の時点でまだ加入期間が2年なので、資金を引き出せません。その後、資金が引き出せるようになるまで口座を維持しなければならず、その管理手数料がかかるわけです(口座管理手数料はかかりますが、運営管理手数料は金融機関ごとに異なり、中には無料の金融機関もあるので調べてみるとよいでしょう)。
ただこの点については、60歳以降も引き続き働く場合や、しばらく使用する予定のない資金として利用するのであれば問題ないでしょう。
ちなみに、2022年5月から、60歳から65歳未満へと加入期間が拡大されることが決まっています(条件あり)。会社員の場合、65歳まで雇用延長などで厚生年金に加入して働く人は、65歳まで加入できます。
注意点2 大きな損失が出てしまうと取り戻すことが難しい
短い加入期間で大きな損失が出ると、損失をカバーできないままになってしまう恐れがあります。若いうちに始めていれば、減った分を取り戻せるかもしれませんが、50代からだと10年もありません。その短い期間に大損したら大変なことになります。
このため、加入期間が短いなら、リスクを抑えた商品を選ぶ必要があります。たとえば元本確保型商品(定期預金等)や債券型投資信託、低リスクのバランス型投資信託などが挙げられます。こうした商品はリスクが低いかわりに、増える可能性も低くなりますが、大切な老後資金がなくなってしまうようなことは避けるべきでしょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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