退職・老後が近い

6月から年金が増えたのはどんな人?いくら増えた?喜んでばかりはいられない理由

2023/06/18 08:00

物価と賃金の上昇をうけて、6月15日(令和5年4月分)支給分から年金額がひき上げられました。今回の変更でどんな人がいくら増えたのか会社員・自営業者のパターン別にシミュレーションします。 年金が増えた?どれくらい増えているのか 66歳の夫婦2人の年金はどのくらい増えたのでしょうか。夫が40年間就業、収入は平均的(平均標準

物価と賃金の上昇をうけて、6月15日(令和5年4月分)支給分から年金額がひき上げられました。今回の変更でどんな人がいくら増えたのか会社員・自営業者のパターン別にシミュレーションします。

年金が増えた?どれくらい増えているのか

66歳の夫婦2人の年金はどのくらい増えたのでしょうか。夫が40年間就業、収入は平均的(平均標準報酬43.9万円)で、妻が専業主婦として確かめます。

夫が会社員で、厚生年金と国民年金を受け取る場合は、夫婦の2023年度の年金額は昨年度より月額4889円、年額5万8668円増えています。毎月の受取額は、夫婦で22万4482円(年額269万3784円)です。

自営業者で国民年金を受け取る場合は、夫婦の2023年度の年金額は昨年度より月額2868円、年額3万4416円増えています。毎月の受取額は、夫婦で13万2500円(年額159万0000円)です。

喜んでばかりはいられない、税金・社会保険料も増えている

年金の受取額が増える点だけ見ると喜ばしいのですが、逆に負担が増えることも忘れてはいけません。収入が増えた分、税金や社会保険料も上がるからです。

たとえば、上で紹介した2組の夫婦の場合(会社員と自営業者。いずれも妻は専業主婦)、東京都江戸川区なら負担がどのくらい増えるか確かめてみましょう。

所得税・住民税は、会社員、自営業者の世帯いずれも、前年同様、非課税のままです。これは1人あたりの年金収入が、いずれも年間212万未満だからです。

次に社会保険料(医療分・後期高齢者支援金分)ですが、会社員の世帯は年額13万773円で昨年度より年額+4173円増えることになります。一方、自営業者の世帯は年額12万6600円のままで前年と同額です。

なお住民税(均等割)や社会保険料の計算方法や料率は区市町村によって異なりますので、各自治体のウェブサイトで確かめましょう。

年金を増やすいくつかの方法

年金は物価と賃金の変動で決まるため、今年度は昨今の物価高の影響で上がりましたが、これでは生活が楽になるわけではありません。収入が増えたとしても、それ以前に物価が上がっていて生活費が重くなっているからです。

そこで早めに考えておきたいのが、年金の受取額を増やす手立てです。たとえば、年金の受け取り開始を遅らせる(繰下げ受給。最大75歳まで)方法や、公的年金ではありませんがiDeCo(個人型確定拠出年金)を始める方法があります。

文/編集・dメニューマネー編集部

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