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【退職金増税】定年退職で75万円も増えるかもしれない。効果的な節税策は?

2023/06/23 16:00

20年以上勤めたサラリーマンの退職金にかかる税金を高くすることが、岸田内閣で検討されています。どんな人に影響があるのでしょうか。また税金はいくら増えるのでしょうか。大企業・中小企業ごとのシミュレーションと節税方法を確かめておきましょう。 退職金の税金はどれくらい増える?大企業と中小企業で明暗別れる 今検討されているのは

20年以上勤めたサラリーマンの退職金にかかる税金を高くすることが、岸田内閣で検討されています。どんな人に影響があるのでしょうか。また税金はいくら増えるのでしょうか。大企業・中小企業ごとのシミュレーションと節税方法を確かめておきましょう。

退職金の税金はどれくらい増える?大企業と中小企業で明暗別れる

今検討されているのは、勤続40年の人の「退職所得控除額が2200万円から1600万円に減らされる」というもので、もし実現すると、退職金が1600万円以上ある人は、控除額が減って増税になってしまいます。

控除とは、所得からその額を差し引いて税金や保険料を計算する仕組みです。これまでは退職金に課税されていたのは、2200万円より多い人だけでしたが、もしかしたら、1600万円以上ある人も対象になってしまいます。

まず大企業の平均的な退職金2564万円(大卒・40年勤務)の場合、退職金にかかる税金は75万4856円(所得税と住民税の合算)増えて、102万9767円になります。

一方、中小企業の平均的な退職金1092万円の場合、増税後も1600万円の退職所得控除額範囲内のため、非課税のままです。

そこで考えたいのが、いかに退職金にかかる税金を抑えるかです。

節税方法① iDeCoを先に受け取って節税

節税策でまず考えるべきなのは、iDeCo(個人型確定拠出年金)と退職金の受け取るタイミングをずらすことです。

というのも、iDeCoを一時金で、退職金と同時に受け取ると合計して退職所得が増え、退職所得控除額を超えてしまい、税金が多くなってしまうからです。先にiDeCoを受け取る場合は5年以上、先に退職金を受け取る場合は20年以上期間を開けることで、退職所得控除を制限なく使えます。

このため、退職金が65歳で出るなら、iDeCoはその5年前の60歳に一時金で受け取っておけば、iDeCo分は非課税にできます。

節税方法② 退職金やiDeCoを一部年金受取りで節税

退職金を年金受け取りにできる会社なら、まとめてではなく、分割して受け取るとよいでしょう。たとえば、65歳で退職所得控除額内の1600万円を一時金で受け取り、残りを年金で受け取ると、年金額によってはお得になる場合もあります。

iDeCoも年金受け取りを選べるので、節税方法①ができない場合は、イデコの年金受け取りも検討しましょう。

文・鈴木靖啓(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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