「ズボン」は、パンタロンやサブリナパンツ、スキニーパンツなど時代によってファッションの流行が移り変わっています。洗った手を拭く、暑い日に汗を拭うのに使用する「ハンカチ」、しなやかで高級感のある美しい生地「ビロード」など、ファッションに関連するこれらの言葉は、実は漢字で書けます。どのように書くのでしょうか?
「ズボン」──岡山県は国産ジーンズの聖地
ズボンは漢字で「洋袴」と書きます。
ズボンの語源は諸説あり、現在でもはっきりと定義されていません。フランス語で女性用下着を表すjupon(ジュポン)が語源の説、足を入れたときに「ずぼん」と足が入るからその名が付いたという説などがあります。
現代のズボンが日本に入ってきたのは幕末から明治にかけてです。その後明治時代になると「文明開化」という言葉とともに和装から洋装へ徐々に移行し、ズボンも定番のアイテムとなりました。
国産ジーンズが初めて生産されたのは繊維の街として知られている、岡山県倉敷市。倉敷市に本社を置く「マルオ被服」(現ビッグジョン)は、1960年代にジーンズの開発を始めました。
その後、1973年「倉敷紡績」が初めて国産デニム生地を生産したことで、ジーンズの生地・製法・加工の全ての工程が、岡山県で完結できるようになりました。
岡山ジーンズのクオリティの高さは世界からも認められ、現在もなおジーンズの聖地として注目を浴びています。
「ハンカチ」──マリー・アントワネットにより正方形のハンカチが一般的に
ハンカチは漢字で「手巾」と書きます。
ハンカチはハンカチーフの略ですが、「ハンド」と「カチーフ」という言葉が複合したものだといわれています。
「カチーフ」は、ヨーロッパの女性が頭を覆うのに使用していた正方形の大きな布のことです。
ハンカチがいつから使われ始めたのか定かではありませんが、紀元前3000年頃にエジプトで使われていた「布」がハンカチの起源といわれています。
現代使われている正方形のハンカチを広めたのは、フランス国王ルイ16世の王妃マリー・アントワネット。彼女はフランス宮廷のファッションリーダーで、さまざまな形のハンカチの中から、正方形を選んで国内外に広めました。彼女の誕生日11月2日にちなみ、最も近い祝日の11月3日が「ハンカチーフの日」として登録されています。
日本には19世紀頃に文明開化と共に伝わり、西洋の文化や流行を取り入れる女性たちにより広まっていきました。
現在は手を拭くだけではなく、首に巻いたりバッグに巻き付けたりとファッションアイテムとしても使われています。
「ビロード」──織田信長も魅了したビロード
ビロードは漢字で「天鵞絨」と書きます。
ビロードはポルトガル語で、英語ではベルベットといいます。生地は柔らかな肌触りですが、伸縮性はほとんどありません。素材は一般的に絹やレーヨンが使われており、光沢に深みがあって上品です。
ビロードは13世紀にイタリアで作られ、400年以上前の天文期にポルトガルから日本に伝来したと考えられています。
宣教師から贈られたビロードのマントは非常に珍しく、織田信長など当時の武将たちは魅了されました。その後、江戸時代頃からは日本でもビロードが織られるようになったそうです。
1919年(大正8年)に創業した滋賀県長浜市にある「株式会社タケツネ」は、絹を使用したやわらかな肌触りと華やかさが特徴の「輪奈ビロード」の製造販売を行っています。同社の製品は、滋賀県の伝統的工芸品に指定されています。
文/編集・dメニューマネー編集部
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