「バイト敬語」とはアルバイト店員の多いファミレスやコンビニの接客でよく使われる間違った敬語のことで、社会人が使うと一般常識のない人だと思われてしまうことがある。どのような言葉づかいが、バイト敬語に当てはまるのだろうか。
1 「〜でよろしかったでしょうか」──過去のことを聞くとき以外に使うのはNG
ファミレスで注文を済ませたとき、店員が「ご注文内容は●●でよろしかったでしょうか」と言うことがある。
しかし、本来「よろしかったでしょうか」は数日以上前など過去のことについて確かめるときに使う言葉だ。
ファミレスでの注文時のように、たった今起こったことを確かめるときは、現在形の“よろしいでしょうか”が適している。
ビジネスの現場においても「こちらの商品でよろしかったでしょうか」などと言うことがあるが、「こちらの商品でよろしいでしょうか」と言い換えたほうがよいケースが多い。
2 「〜ほう」──方向や取捨選択のとき以外は使わない
ファミレスで、「メニューのほう、お下げします」のような言葉遣いを耳にすることがある。
“ほう”は方向を示すときの“南の方”、あるいは2つ以上のものを取捨選択するときの“AとBなら、Aの方が”のように使う言葉だ。「メニューのほう、お下げします」は、方向と取捨選択のどちらにも当てはまらないので、正しい使い方とはいえない。
ビジネスの場面でも「私のほうから●●に申し伝えます」のように使ってしまうことがあるが、「私から●●に申し伝えます」が適している。
3 「〜になります」──状態が変化するという意味で使うならOK
ファミレスで注文したものが提供されるときに、「コーヒーになります」と言われることがある。
しかし、“なる”という動詞は状態が変化したときに使う言葉なので、この使い方は正しくない。
ビジネスの現場においても「こちらが資料になります」のように言うのは適切ではなく、「こちらが資料でございます」と言い換えるべきだ。
一方で、「時刻はまもなく10時になります」といった使い方は適している。
4 「〜円からお預かりします」──“から”は必要ない
コンビニの店員がお客さんからお金を渡されたとき、「1,000円からお預かりします」などと言うことがある。
しかし、“から”はもともと「何時から何時まで練習する」「ある場所から別の場所に行く」のように、時間や場所の始まりを表す言葉なので、お金のやり取りで使うのは適していない。
「1,000円、お預かりします」と言うのが正しい。
仕事でお客さんや取引先と直接お金のやり取りをする人は、間違った使い方をしていないか確かめてほしい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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