タワーマンションを節税のために買う人が多かったことから、国税庁がそうした“タワマン節税”を抑えるために、相続税評価額の新たな算定方法を発表しており、自分のマンションやこれから相続する親のマンションが「タワマン節税」とみなされて課税されてしまう可能性があります。どんな点に注意すればいいのでしょうか。
2億円以上課税されたことも!不当とみなされる理由
そもそも「タワマン節税」が行われていた背景にあるのは、不動産の価格が複数あるという実態です。具体的には、その時点での不動産の価値を示す「時価」と、相続税の計算で用いられる「評価額」です。これらが同じであれば話が違うのですが、この2つは大きく異なっていて、マンションについていうと、評価額は時価の約25%でしかないのです。
するとどういうことが起きるかというと、一定額の現金を持つよりは、マンションという形で所有すると、相続税が大幅に抑えられることになり、現金で持つより節税できるわけです。この場合、タワマンのような高い物件のほうが節税効果が大きくなるため、富裕層がこぞって節税目的でタワーマンション購入した──これがタワマン節税です。
しかし国税庁は「この節税は行き過ぎだ」と判断し、一部のケースには追加で2億円以上を課税しています。
ここで心配なのは、「節税の目的ではなく買ったのに、そう判断されたらどうしよう」ということでしょう。そんな心配があるなら、次の3点を確かめましょう。
注意点1 平均寿命の年齢を過ぎてからの購入ではないか
課税された事例では、平均寿命の年齢よりも後にマンションを買っています。すると、「亡くなる前に相続税対策として急いでマンションを購入した」と考えられてしまうのです。
現在の平均寿命は男性が82歳、女性が88歳です。それ以降にマンションを買うときは注意しましょう。
注意点2 相続後に売却する予定はないか
同じく課税された事例では、親が亡くなって相続が完了した後、相続した子がわずか9ヵ月後にマンションを売却しています。これが、節税目的とみなされた要因と考えられます。
自分のマンションについても、相続が終わった後に売る予定があるなら注意が必要です。
注意点3 融資稟議書に「相続税対策」と記載されていないか
相続税対策としてマンションを購入するために銀行から融資を受けると、融資稟議書に相続税対策の旨が記録されます。
もし既にタワマン節税を目的として買っている場合は、改めて融資稟議書を確かめましょう。
以上の注意点にいくつか当てはまり心配な場合は、税理士などへ相談して慎重に決断しましょう。
文/編集・dメニューマネー編集部
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