シンガーソングライターのGACKTさんが女性誌のインタビューで、自分の墓はいらず、海に散骨する「海洋散骨」を望んでいると語った。海洋散骨の費用は、どれくらいなのだろうか？

海洋散骨は遺骨を海に散布すること　違法ではない？

海洋散骨とは火葬したあとの焼骨を粉末にして海に散布することだが、法律には触れないのだろうか？

故人が海好きだった場合や、墓を引き継ぐ人がいない場合などに海洋散骨が選ばれることがある。

国は散骨について「墓地、埋葬等に関する法律においてこれを禁止する規定はない」としており、法的に問題ないとしている。

散骨は違法ではないが、周囲の人の迷惑にならないよう海岸から離れたところで行わなければならない。そのため、船で移動して散骨やお別れのセレモニーをするのが一般的だ。

海洋散骨にかかる費用はいくら？

業者によって呼び方は変わるものの、海洋散骨のプランは、「貸切プラン」「合同プラン」「代理プラン」の3つに大きく分けられ、それぞれ費用が異なる。

一般的なお墓の平均購入価格は約150万円というデータがあるが、海洋散骨にはどれくらいの費用がかかるのだろうか（いいお墓「第14回 お墓の消費者全国実態調査（2023 年）」）。

貸切プラン──費用相場は20万〜40万円

貸切プランでは、家族などの親しい人たちで船を貸し切って散骨する。

「船に乗れる人数は8人まで」のように、業者ごとに決められている。

複数の葬儀社や海洋散骨を行う業者の情報をもとにすると、費用相場は20万〜40万円だ。

合同プラン──費用相場は10万〜20万円

合同プランでは複数の家族が一緒に船に乗り、同じポイントで散骨する。

船に乗れる人数は1家族あたり2人までなど、少人数しか乗れないことが多い。

貸切と比べると費用を抑えられ、相場は10万〜20万円だ。

貸切プランや合同プランのように遺族が船に乗る場合は、うえのプラン料金に加えて家から出港地までの交通費や宿泊費がかかる。

代理プラン──費用相場は5万円前後

代理プランでは、遺族に代わって業者のスタッフが散骨する。

海に出向けない遺族のために、散骨の様子を写真におさめて渡してくれる業者もある。

費用の相場は5万円前後で、3つのプランの中でもっとも低い。

海洋散骨にメリットを感じる人もいるが、埋葬方法として一般的とはいえないため、抵抗がある人もいる。そのため、故人の希望であったとしても、遺族間での話し合いが大切といえよう。

文・廣瀬優香（フリーライター）
編集・dメニューマネー編集部

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