退職・老後が近い

「自己破産」したらNISAやiDeCoは差し押さえられるのか?保険はどうなる?

2023/07/09 08:00

借金を返済せなくなった人を救う「自己破産」をすると、借金が免除されますが、土地、預金などの資産が没収されてしまいます。それではNISAやiDeCoの資産は差し押さえ対象となるのでしょうか。 投資扱いのNISAは没収される 自己破産すると、家具・家電・寝具などの生活必需品や、仕事に必要な道具、2ヵ月分の生活費などを“除い

借金を返済せなくなった人を救う「自己破産」をすると、借金が免除されますが、土地、預金などの資産が没収されてしまいます。それではNISAiDeCoの資産は差し押さえ対象となるのでしょうか。

投資扱いのNISAは没収される

自己破産すると、家具・家電・寝具などの生活必需品や、仕事に必要な道具、2ヵ月分の生活費などを“除いた”財産が没収されるので、NISAで買った株式や投資信託は没収対象です。生活や仕事に不可欠な財産ではなく、売却すれば換金できるからです。

自己破産した後で、再びNISAや株式投資することに制限はありません。借金を整理してから再度NISAを活用すればよいでしょう。

ただし、自己破産すると信用情報機関のブラックリストに登録されクレジットカードを作ったり使ったりできなくなるので、積立投資のクレカ払いはできません。

年金扱いのiDeCoは没収されないが……ほかの年金や保険は?

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自己破産しても没収対象とはなりません。確定拠出年金法で差し押さえができないことになっているからです。

国民年金・厚生年金・企業年金も同様に「差押禁止債権」になっており、没収されませんが、生命保険会社などで加入した個人年金は没収されます。また、自己破産した後でも、iDeCoの積み立ては続けられます。

自己破産の件数は、年間6万5000件(2022年)くらいです。最も多かった2003年には24万件ありましたが、その後は減少。2016年に上昇に転じましたが、それでもここ数年は6〜7万件程度です。

件数はピーク時のおよそ4分の1ではありますが、ギャンブルや、FX・仮想通貨・株の信用取引などの射幸行為で借金ができた人は、自己破産が認められないことがありますし、2回目も同じ理由で借金を作った場合も(反省していないとみなされ)、自己破産が認められない可能性が高くなるそうです。自己破産が認められなくても借金に困っている人は決して少なくないでしょう。

文・鈴木靖啓(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部

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