人気YouTuberのがーどまんさんの家に国税の調査が入り、数千万円に上る延滞税の支払いを求められたことが報じられました。がーどまんさんは「脱税するつもりはなく、税理士が手続きをしていなかったことが原因」と話しています。
最近は個人でYouTubeチャンネルを始め、収益を得ている人も少なくありません。副業や投資で本業ほかに所得がある人は、税金を申告しなかったときのリスクを知っておきましょう。
リスク1 申告しないまま時間が経つと延滞税がかさむ
所得があるのに確定申告をしていないと、数年後にまとめて調査が入り、過去にさかのぼって延滞税の支払いを求められるおそれがあります。
延滞税は、期限までに税金を払わなかったとき、元の税金に上乗せしてかかります。時間が経つにつれて雪だるま式に増える税金です。
2023年の延滞税の利率は、期限から2ヵ月までは年2.4%で、それより支払いが遅れると年8.7%になります。利率は年ごとに変わり、最大で年14.6%になる可能性があります。
2020年から2022年にかけて、毎年100万円の税金を納めなければならなかったのに、確定申告をしていなかったとしましょう。2023年8月末までに申告・納付をすると、3年分の延滞税は約10万円です。納付が2ヵ月遅れると、延滞税は約16万円になります。
リスク2 ペナルティとして加算税がかかることも
確定申告をしていないと、延滞税だけでなく、ペナルティとして無申告加算税もかかるおそれがあります。
無申告加算税の税率は、元の税金が50万円以下なら15%、50万円を超えると20%、300万円を超えると30%です。
先ほどのケースだと、1年分の無申告加算税は
「50万円×15%+50万円×20%=17万5,000円」
です。
3年分となると、無申告加算税だけで約53万円もかかります。
延滞税も合わせると、期限内に納めていれば300万円で済んだ税金が、60万円以上増えることになります。
なお、税務署から連絡が入る前に自分から申告すると、無申告加算税の税率は5%になります。申告すべき所得があると気づいたら、期限が過ぎていてもすぐ確定申告をしましょう。
リスク3 悪質だと重加算税や逮捕のリスクもある
書類を改ざんして脱税したといった悪質なケースだと、無申告加算税の代わりに税率40%の重加算税がかかります。先ほどのケースだと、3年分の重加算税は120万円に上ります。
脱税は違法なので「10年以下の懲役または1,000万円以下の罰金」を命じられ、前科がつくこともあります。証拠隠滅を疑われると、逮捕されるリスクもあります。
確定申告が必要になる基準は、サラリーマンなら給与以外の所得が20万円を超えたとき、給与がない主婦(夫)や学生なら所得が48万円を超えたときです。調査で多額の税金の支払いを求められてあわてることがないよう、所得がある人は確定申告をしましょう。
なお、本文中の税額は一定の条件で計算したもので、必ずしも上記の税額になるわけではありません。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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