老後に備えて、介護費用や家のリフォーム代などを貯めている人は多いだろうが、そのほかの思わぬところで大きなお金がかかることがある。盲点となりやすい老後の出費を見てみよう。
1 子どもが結婚するときの援助費用──平均は160万円超え
いまは子どもが結婚するときに費用を援助するつもりがなくても、相手の親がお金を出すとこちらも出すことになる場合があるので、気に留めておきたい出費だ。
挙式や披露宴・ウエディングパーティーにかかるお金を親から援助してもらった人は、総額でどれくらい出してもらったのだろうか。全国平均は、およそ163万円だ(ゼクシィ「結婚トレンド調査2022」、以下同じ)。
新郎と新婦の親から半分ずつ出してもらうとしても、決して少ないお金とはいえないだろう。
実際に親や親族からお金を出してもらった人の割合は、全国でおよそ72%。いまは援助を考えていなくても、備えておいたほうが安心かもしれない。
2 孫へのプレゼントや学費援助など──「孫破産」する人も
年金収入のみでつつましい生活をしていても、孫のことになるとお金を惜しまず、いつの間にか老後資金が大きく減ってしまう人も少なくない。
孫にかけるお金は、お年玉や誕生日・クリスマスのプレゼント、入学・卒業祝い、学費の援助など、数えればキリがない。
中には孫にお金をかけ過ぎて、老後資金がなくなる「孫破産」に陥る人もいる。
かわいい孫のためにお金をかけたい気持ちはわかるが、年間の予算を決めたほうがよい。
1年間で孫に使ったお金の平均は、およそ12万円というデータもある(ソニー生命保険「シニアの生活意識調査2022」)。
あくまでも平均なので、自分の状況に合わせて決める必要があるが、この金額は一つの基準になるだろう。
3 墓じまいの費用──数百万円かかることも?
いまは墓じまいをするつもりがなくても、年を重ねて、遠く離れた実家のそばのお墓に行くのが難しくなったなどの理由で、墓じまいをせざるを得なくなることがある。
墓じまいにかかる費用には、墓石の撤去費用、遺骨の取り出し費用、お布施、公的書類の発行費用などがある。
その後、家の近くなどに新しくお墓を建てる場合は、永代使用料のほか、据付工事や埋葬の費用、お布施などがかかる。いままでのお墓で使っていた墓石を使うなら運搬費、新しい墓石を建てるなら墓石代もかかる。
これらをすべて合わせると、かかる費用は30万〜300万円ほどになる。新しく建てる墓石の種類や大きさなどによって、費用は大きく変わる。
墓じまいの可能性が少しでもある人は、老後にかかるお金のひとつに入れておきたい。
文・廣瀬優香(フリーライター)
編集・dメニューマネー編集部
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