ふるさと納税の寄附額は年収によって上限があるため、年収がほぼ分かる年末に寄附する人が多いでしょうが、今年は年の途中に返礼品の値上げが相次ぎ、早めに寄附したほうがよさそうです。
理由1 相次ぐ返礼品の値上げ
寄附を早くしたほうがよい理由の1つは、各地で起きている返礼品の「値上げラッシュ」です。2022年からさまざまなモノの値段が上がっていますが、その影響が返礼品にも及んでいるのです。
たとえば、愛知県碧南市の「しらす干し1.5㎏」は2023年5月1日からそれまでの8,000円から1万円に値上がりしています。値上げのタイミングは自治体によってまちまちなため、今は据え置きでもいつ値上げされるかはわかりません。
理由2 自治体のふるさと納税の経費ルール見直し
もう1つの理由は、自治体のふるさと納税の経費についての基準が見直され、今までより厳しくなることです。
ふるさと納税の返礼品の経費には、「寄附額の5割まで」というルールがありますが、自治体の中には、ふるさとポータルサイトへの手数料の一部を経費として計上していないところがありました。
この点について松本総務相が7月14日、「自治体がポータルサイトに支払う手数料を10月から全額経費に含める」旨の発表をしました。
たとえば、1万円の寄附に対し、これまでは返礼品が3,000円相当で、経費が2,000円だったとします(返礼品は寄附額の3割以内というルールがある)。それが今後は500円経費が増えると、返礼品を2,500円にしなければなりません。
返礼品に充てられる割合が減るのは、実質的な値上げです。すべての自治体が該当するわけではありませんが、10月から値上げに踏み切る自治体もあるといわれています。
早く申し込んだ人が得をする
こうして考えると、今年のふるさと納税は、早く申し込むのが得策といえます。物価上昇に追い打ちをかける10月からの新ルールで、今後はふるさと納税の条件が悪くなっていくと考えられるからです。また、年末まで待っていては、欲しい返礼品が品切れになるおそれもあります。
夏の間に寄附をすませるなどして、「先月申し込めばよかった」などと後悔しないようにしましょう。
文・松田聡子(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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