日産自動車 <7201> がスカイラインなどセダンの新型車の開発を中止することが6月12日分かった。日本経済新聞が報じた。対象は同社のフーガ、シーマなどセダン4車種。そのうちシルフィは既に生産を終了している。SUVや電気自動車に資源を集中する方針で、既に主要な取引先には通達したという。
国内専用ブランドのスカイラインは、日産の現行車種の中で最も歴史がある。そのスカイラインの開発を中止するのには、日産の事情はもちろん、セダンが不人気になっていることも影響しているだろう。
スカイラインの歴史
スカイラインは後にプリンス自動車工業となる富士精密工業が1957年に発売した4ドアセダン。日産自動車が1966年に同社と合併し、日産のラインアップに加わった。
人気を不動のものにしたのが1968年の3代目。通称「ハコスカ」は、車体が箱のようおな角ばったデザインであることが由来だ。その後、69年に「GT-R」が誕生、72年には「ケンメリ」と呼ばれる4代目が発売されている。
スカイラインの現行モデルは、2014年に発売された13代目で、税込み435万3800円から。日産は運転支援技術「プロパイロット2.0」を開発しており、この技術はスカイラインにも搭載されている。
なおスカイラインGT-Rは2002年まで販売されたモデルで終了、その系譜にある現行車種は2007年から生産されている日産GT-Rだ。
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セダンとは?なぜ不人気なのか?
今回日産が開発を中止するとしたのはスカイラインだけではない。これを含むセダン4車種が対象となっている。
セダンとは車体が3ボックス(エンジン、乗客、貨物)に分かれている4ドアの車種のこと(2ドアセダンも存在する)。
国内メーカーのみならず海外でも人気の形状で、たとえばメルセデスでは、CクラスやEクラス、Sクラスなどがそれにあたる(Aクラスにも存在するほか、クーペが併存するクラスも)、またBMWでは3シリーズ、5シリーズ、7シリーズなどだ。
セダンは、かつて自動車が広く普及しつつある過程では、クーペ(2ドアの箱型乗用車)とともに高い人気を集めていた。しかしその後、荷室の広さなど実用性が求められるようになり、ハッチバックやRVなどの人気が上昇。さらに昨今はSUVなどが高い人気を誇っており、これとは対照的にセダン人気は落ちてきていた。
昨年末には、トヨタ自動車 <7203> がクラウンのセダンを現行モデルをもって生産を終了すると中日新聞が報じている。
GT-Rは価格が高騰、スカイラインの価格も上がる?
スカイラインの中でもGT-Rが日本国内のみならず海外でも人気が高い。「ケンメリ」は特に生産台数が少なく、中古車相場でも2000万円を超えるものがいくつも見られる。時折走行距離数が少ない車体が市場に出ると、自動車サイトで話題になるほどだ。
GT-Rに限らずとも、スカイラインは長い歴史を持つだけに様々なモデルがあり、中古車相場を見ても価格帯は幅広い。生産台数が少ないモデル、人気のモデルは高値がついているが、台数の多いモデルもあり、走行距離数によっては驚くような高値ばかりではない。
ただ今回スカイラインの開発中止により、中古車相場へ影響が出る可能性も十分にあり得るだろう。中古車価格の動向には注視しておきたいところだ。
文/編集・dメニューマネー編集部
画像・NISSAN Webサイト
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