児童手当を自分の子供のために貯める親は多いですが、渡し方を間違えると贈与税がかかり、せっかく貯めたお金が減ってしまうことがあります。
児童手当は、3歳未満と3歳から小学生のうち第3子以降は、1人月額1万5000円もらえます。3歳から小学生のうち第1子・第2子もしくは、中学生なら1人月額1万円となります。ただし、所得制限・所得上限があって、所得制限を超えた人は、子供が中学校を卒業するまでは、月額1人5000円となります。
児童手当は2024年から高校生までもらえるようになり、金額も増える見込みなので、贈与税がかからないよう次の2つのケースには注意しましょう。
注意すべきケース1 子供名義の通帳に児童手当をまとめて入れる
まとまった金額の児童手当を子供名義の通帳に入れると、贈与税がかかるおそれがあります。
児童手当は子供を養う親に払われるもので、親の財産です。そのため、親が使わずそのまま子供にあげると、贈与になります。
贈与税には年間110万円の非課税枠がありますが、中学生までの児童手当をすべて貯めると198万円となり、非課税枠を超えてしまいます。
税務署は通帳を調べることもできるので、まとめて入金をしていたら、言い逃れはできません。
注意すべきケース2 児童手当を貯めた子供名義の通帳を大人になってから渡す
子供名義の通帳を早めに作り、少しずつ児童手当を貯めていても、20歳など子供が大きくなったタイミングで通帳を渡すと贈与税がかかることがあります。
贈与のタイミングは、子供が「もらったことを知ったとき」です。親の通帳から子供の通帳へ毎年少しずつ入金していても、子供がそのことを知らなければ贈与になりません。
子供が大人になってから残高198万円の通帳を渡したら、そのときに198万円の贈与が行われたことになり、非課税枠の110万円を超えて贈与税がかかってしまいます。
贈与税がかからないよう子供に児童手当を渡す方法
子供自身がお金を「もらった」と知っていても、金額が年間110万円を超えなければ、贈与税はかかりません。
児童手当を子供に渡したいなら、子供名義の通帳を作り、年間110万円を超えないよう入金していきましょう。
同時に、子供に「あなたの通帳にお金を振り込んだ」と贈与の事実を伝えておきます。そして、中学生や高校生になったら、通帳の管理を少しずつ本人に任せましょう。
なお、2024年以降は高校生まで児童手当をもらえるようになる見込みで、そうなるともらえる金額は234万円になります。
文・木崎 涼(ファイナンシャル・プランナー)
編集・dメニューマネー編集部
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