連載 不動産投資・初心者が知っておくべきこと【第6回】
不動産投資だけではなく、すべての投資で成功するために一番大切なことはリスクコントロールです。不動産投資で存在するリスクについてそれぞれ確認してみましょう。
「空室リスク」家賃収入が入らない最大のリスク!
不動産投資の最大リスクは「空室」です。入居者がいない物件に家賃収入は生まれません。手持ち資金でローン返済をすることになると、結局、日々の生活資金が減ってしまうことになります。
空室リスクの最大の対策は、一度入居した人が退去しないようにすることです。
首都圏の賃貸住宅の平均居住期間は4年ほどです(社会人の81.3%。2020年度上半期、日本賃貸住宅管理協会調べ)。一方の関西圏は73.9%です。
賃貸借契約の習慣は地域によって異なります。例えば、契約の更新料です。首都圏の賃貸住宅では59.0%で更新料が支払われていますが、近畿圏では16.4%(2019年度、国土交通省住宅市場動向調査報告書)です。2年ごとに発生する更新料が、転居のきっかけになることも少なくありません。
例えば、この更新料を廃止したり、一定期間以上住んでいる人には、更新時に商品券をプレゼントしたりする大家もいます。運悪く退去者が出ても、新規入居者募集の際に、1カ月間のフリーレントをつけたり、退去者が出たタイミングで、最新の防犯設備を設置したり、エアコンを交換したりすることで、競合物件との差別化をはかると空室リスクはかなり減らせます。
「災害リスク」地震大国だからこその備えは保険
日本は世界有数の地震国で、近年は気候変動が原因で豪雨や水害が増えているようです。こうした災害から投資物件を守るために必ず保険に加入しましょう。火災保険のカバー範囲は火事だけでなく、落雷、爆発、風災・雹災・雪災、水濡れ、水災、盗難、破損などが含まれます。
ただ、地震や噴火、これらによる津波を原因とする火災や損壊、埋没、流失による建物や家財の損害は対象外なので、これらについては地震保険で対応します。火災保険と地震保険はセットで契約しましょう。
建築基準法改正で耐震基準が厳しくなった1981年6月1日以降の耐震性の高い建物を選ぶのも手です。新耐震基準は震度6強から7程度の揺れでも倒壊しないことが条件となっています。
「資産価値の下落リスク」必ず下がるが、下がりにくい物件を探す
物件は経年すると建物の資産価値が必ず下落します。資産の性質上仕方がないことで、そのため転売価格は購入価格よりも下がることが一般的です。
ただし、経年しても、あまり資産価値が下がらない物件があります。それは立地に優れ、将来にわたって高い賃貸需要が見込めるような物件です。例えば、東京23区内の中古マンションの価格は、コロナ禍においても価格は上昇しています。
特にターミナル駅から徒歩10分以内の”駅近”物件は、利便性が高く、資産価値が落ちにくいので、最終的な出口戦略が立てやすくなります。
「流動性が低いリスク」売りたい時にすぐに売れない?
不動産は価格が高く、戸数に限りがあることや相対取引になることなどから、「売りたいときにはすぐ売れず、買いたいときにはすぐ買えない」というような特徴があります。
他の金融商品と比較してみると、その流動性の低さは明らかです。株式投資は上場株であれば、取引所が開いている時間帯ならいつでも取引できますし(売れるとは限りませんが)、2~3営業日で出金できます。FXの場合は24時間いつでも取引できます。不動産投資は綿密な計画を立てて、ゆっくりと運用する資産であることを認識しておきましょう。
リスクはあるが対策が立てやすいのが不動産投資
景気や経済、各国の金融政策などに左右されるFXや株式と比較すると、不動産はリスクコントロールがしやすい投資です。ゆっくりと着実に資産形成したい人には適した資産運用の方法と言えるのではないでしょうか。
文・株式会社フロア
編集・dメニューマネー編集部
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